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東計電算、アパレル業界向けに店舗・EC統合型WMS

2021年5月26日 (水)

アパレル東計電算は6月1日に、アパレル業界に特化した店舗・卸向けとEC向けの商品在庫を統合管理できる倉庫管理システム(WMS)「CLOWS」(クロウズ)の提供を開始する。アパレルショップを展開するウィゴー(東京都渋谷区)と共同開発したもので、4月にウィゴーの物流センター4施設に先行導入している。

東計電算によれば、在庫管理や倉庫内オペレーションが異なる店舗・卸向け商品とEC向け商品を統合管理し、任意の優先順位で出荷を振り分けることで、販売機会の損失や過剰在庫発生のリスクを防ぐことが可能になる。また、出荷オーダーごとのアイテム数や出荷先数に応じてピッキングと仕分けの方法を選択することもでき、作業を効率化するという。

そのほか、オプションで業務用端末との連携も可能。8月には自走ロボットとの連携サービスも提供を開始する。

さらなる参入者を求む

EC興隆に乗じて、受注管理と倉庫内業務管理の双方のシステム開発が活発だ。OMSと呼ばれる受注管理ソフトの低価格化と汎用性の向上は成熟期に差しかかっていると評してよい。

しかしながら業務フロー上でOMSに連動するWMSは未熟で、この10年来、目立った進歩が見られない。既存のWMSに共通する点として、まず第一に現場不知、第二に操作の冗長さ、第三に拡張性の貧弱さと割高なカスタマイズ費用が挙げられる。

また、具体的な項目や細かい点まで列挙する場ではないので差し控えるが、タイトで簡潔な現場業務に不可欠なデータ加工の柔軟性や簡易性、直感的に識別できる事務書類のロケーション配置と掲示などが不足していることは瞭然だ。

今後期待されるのは、現場を知る新規参入者もしくは現場実務者と、システム開発の専門家による共同開発の増加だ。彼らは長く無風状態だったWMS市場に、大きな動きをもたらしてくれるだろう。

多くの物販事業者が望むのは、販売手法による業務の切り分けと並列化ではなく、有機情報を素データ化して直列的な業務フローへと変換してくれるOMSとWMSの連動ではないだろうか。当然だが、OMSとWMSの一体化が理想であることは言うまでもないことだ。(永田利紀)