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タイで夜間の輸送に規制、県ごとに対応の違いも

2021年7月26日 (月)

国際ジェトロ(日本貿易振興機構)によれば、タイ政府は21日、午後9時から翌日午前4時までの貨物の輸送規制を発表した。新型コロナウイルスの感染者数急増を受けたもので、公共のために必要な食品や医薬品、輸出入物品など一部の物資の輸送は認める。また、空荷の戻り便や集荷に伴う無積載でのトラック輸送、出発地への帰還も認める。規制は追加発表があるまで有効とする。

タイ政府によれば、感染予防措置は各都県によって異なるため、輸送業者は目的地によって各都県の制限措置を確認する必要がある。また、各都県のウェブサイトなどによれば、一部の県ではバンコクを含む「厳格最高管理区域」13都県からの入境制限や、入境後14日間の自己隔離の検討が確認されているなど、状況は流動的という。

なお、ジェトロが23日に政府の新型コロナウイルス状況管理センターにヒアリングしたところ、貨物輸送の場合、トラックの運転手や乗務員は特定県で課せられる自主隔離措置などの検疫要件は免除されるという。ただし貨物の所有者は運転手・乗務員の情報、製品の種類・リスト、輸送ルート、発着地の詳細を記載した、都県間輸送の必要性を示す自己証明書を発行し、ドライバーに携行させる必要がある。

ジェトロが22日と23日に複数の日系企業に実施したヒアリング調査では、貨物輸送に関して影響を受けている企業はなかったという。ただし、タイ国内の感染者数は連日1万人を超えており、クラスター発生による工場の操業停止や、それに伴う部材供給先の操業停止など、サプライチェーン上においては影響が散見されている。