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Azoop「トラッカーズマネージャー」に新機能

車両買取価格をAIで予測、中小運送業者を支援

2021年7月27日 (火)

サービス・商品運送業界向けの中古車売買サイト「トラッカーズマーケット」を提供するAzoop(アズープ、東京都世田谷区)は27日、クラウド型の運送業務効率化システム「トラッカーズマネージャー」に、「車両資産価格のAI(人工知能)予測機能」を追加したと発表した。トラックの売却に関して、適切な時期や価格のノウハウを持ちにくい中小の運送業者を支援するサービスが登場したことになる。運送業の資産管理や業務運営の最適化につながる取り組みとして、注目を集めそうだ。

トラッカーズマーケットの運営によって得た、1万台以上に及ぶ車両取引実績と掲載実績のデータをもとに、独自に開発したAIを活用して、トラックの車両資産価格や売却金額を予測する。朴貴頌代表はLOGISTICS TODAYの取材に、「私が知る限り、同様のサービスは国内にも国外にもない」と機能の独自性を強調する。

▲「資産価値をチェック」を押すと、AIが予測した車両資産価格売却金額が表示される(クリックで拡大)

Azoopは2017年の創立以来「運送会社の利益の最大化」をモットーに各種の事業を展開してきた。しかし、主な顧客とする中小の運送会社が、組織力で勝る大手とは違い「トラック1台をいつ、いくらで売れるのか」といった相場感を持ちにくいことについて、当初から危機感を持っていたという。

「そういった情報に、身近にアクセスできる環境を提供したい」との思いを実現するため、Azoopは買取業者に問い合わせることなく、保有車両の買取相場が分かる機能の開発に着手。2020年3月に、車両コストの見える化と車両管理を支援するトラッカーズマネージャーの正式版をリリースした際にも、今回の新機能の追加を予告していた。

そして、トラッカーズマーケットで1年以上をかけて十分なデータを蓄積し、「お客様に提供できるデータの精緻さ」を得たことから、今回の新機能のリリースに至ったという。カギとなるAIについては、外部企業の力を借りることなく、社内のリソースのみで構築した。

今後は「車両更新の自動提案機能」なども追加

同機能のリリースによって、運送業者は買取業者を介さずに、リアルタイムでさまざまな架装のトラックの買取相場を把握できるようになり、入れ替えの判断材料とすることが可能になる。また、融資を受ける際には、金融機関に提出する資産を簿価から時価で再評価して示することで、融資枠拡大の材料とすることもできる。今回の機能追加に合わせて、ワンクリックで完了する査定依頼機能も実装した。

Azoopは今後、中古トラックの販売サイト「トラッカーズオークション」などとの連携により、取扱件数を伸ばす考え。また、トラッカーズマネージャーに入力されたデータをもとに車両資産価値などを計算し、自動的に更新をアドバイスする機能についても「1年後を目途に追加したい」と意欲を示す。

なお、トラッカーズマネージャーの機能強化は、それ以外にもさまざまな角度から注力する考えで、今後はトラックの修繕に関する予測やアドバイスの機能、トラック1台あたりの売上高と販管費から改善策を提示する機能なども、早期に追加したいという。

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