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米団体が国際海運の汚染度調査、大手小売名指し非難

2021年7月28日 (水)

調査・データパシフィック・エンバイロメントなど米国の2つの環境保護団体はこのほど、化石燃料による貨物船を使用した米国への商品輸入に関する環境汚染調査の結果を発表し、わずか15社が数百万トン規模の汚染物質を排出していると伝えた。数千万台の自動車に相当する二酸化炭素や硫黄酸化物、亜酸化窒素、粒子状物質などを排出しているという。

名指しで非難されたのは米小売り大手のウォルマートやターゲット、EC大手のアマゾンなど。両団体によれば、同調査は米国の大手小売企業が海外の製品や大洋間輸送に依存し、環境や公衆衛生に大きな影響を与えていることを定量的に示した初めての研究という。

貨物の詳細と個々の船舶の排出量のデータを相互に参照することで、各貨物単位の汚染を推定した。汚染物質の排出が最も多かったウォルマートについては、2019年に370万トン超の二酸化炭素などを排出しており、石炭火力発電所の1年間の排出量を上回るとの見方を示している。

パシフィック・エンバイロメントは発表に際し、「大手小売企業は大気汚染の直接の原因。大気汚染は若者の喘息を悪化させ、米国の港湾地域では年間数千人が早死にし、気候変動の緊急事態を助長している」と厳しく非難している。