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ABBがロボティクスパッケージ発売、小規模導入対応

2021年9月9日 (木)

サービス・商品ロボティクス事業を手がけるABBロボティクス&ディスクリート・オートメーションの日本法人(東京都品川区)は9日、対象物をつかむグリッパ、ソフトウェア、ストレージラック、商品を送り出すインフィード、アウトフィードコンベヤで構成するソリューション商品「FlexBuffer」(フレックスバッファー)の販売開始を発表した。規模を問わずにバッファリングや順序制御機能を利用できるのが強み。

ABBによると、フレックスバッファーは物流、食品・飲料、ヘルスケア、日用品、レストラン、小売店舗が順序制御、仮置き、保管、注文の統合といった幅広いタスクを処理するのに適したサービス。同社の上級副社長は「ECの爆発的な普及は、注文を処理して配送する従来のシステムに対する挑戦だ。フレックスバッファーは、自動化された保管、在庫管理と順序制御をすべての施設にもたらすことで、顧客がこれらの課題に対応するのに役立つ」とアピールしている。

同社はAMRメーカーのASTIモバイルロボティクスグループ(ASTI)を買収したことで、ハードとソフトの両面をカバーできるポジションを確立しており、海外では中国の上海第七人民病院の医薬品保管、バラ積みピッキングアプリケーション、顧客が自動ブースで注文した携帯電話機をピッキングできる中国ファーウェイの自動小売店、英小売業のジョンルイス&パートナーズの注文ピッキングシステムなどがこのサービスを利用している。

このサービスを通じて受信した注文は、WMS、ERP、AMSシステムと連携しやすいソフトウェアで管理。混在するアイテムの保管・取り出しを管理し、衝突を回避し、ストレージの使用を最適化すほか、ソフトウェアからの情報をもとに、ロボットが商品を発送する順序に基づいて適切なラックの位置に収納する。

製品を取り出す必要がある場合、ロボットは要求された製品を適切な順序で選択し、発送用コンベヤに配置して発送の準備。あらかじめ設定された順序に従って商品を発注することで「正確な納期、商品重量、商品温度、特定の注文に関わるカスタマイズされた注文を満たすことができる」(ABB)。次の処理を行う前に商品を一時的に保管するのにも活用できる。

サービスは「単一アイテムバージョン」と「混合アイテムバージョン」の両バージョンを用意し、単一バージョンは、アイテムの輸送に使用される標準ボックスを処理するように設計され、混合アイテムのバージョンは小包、トレイ、木箱などのアイテムを処理できる調整可能なグリッパで柔軟性を高めた。対応する総重量は最大50キロで、最大600個の荷物を保管し、1時間あたり最大500サイクルで入出庫作業を行うことができる。

小規模な施設に対しては、仮置き、保管、順序制御のためにシステムを最適化できる在庫管理ソフトウェアを通じて対応。単一もしくは複数のフレックスバッファーセルを制御できるようにし、需要の変化に応じて業務の拡張性を高める。顧客が注文の進行状況を継続的に追跡し、増大するリアルタイム注文追跡を満たす需要にも役立つ。この拡張性について、同社は「小売店、薬局、病院、より適応可能で柔軟な保管、在庫管理ソリューションを必要とするフルフィルメントセンターなどのより小規模な施設にとって特に理想的だ」と説明している。