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飯野海運、ドライバルク船好調反映し通期上方修正

2021年11月9日 (火)

(出所:飯野海運)

財務・人事飯野海運は9日、2022年3月期の通期連結業績予想を上方修正した。ことし8月5日公表の前回予想数値について、売上高を920億円から980億円に、経常利益を50億円から51億円に、親会社株主に帰属する当期純利益を80億円から83億円にそれぞれ引き上げた。営業利益については、45億円のまま据え置いた。

第2四半期累計期間の業績は、ドライバルク船の市況が予想よりも高水準で推移。第3四半期以降は新型コロナウイルス感染拡大の動向が見通せないことによる輸送需要の先行き不透明感も考慮し、上方修正に踏み切った。

同日発表した2022年3月期第2四半期累計連結決算は、売上高が前年同期比13.3%増の489億8100万円、営業利益が同53.6%減の18億2100万円、経常利益が同60.9%減の15億4000万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同29.7%増の41億6600万円となった。

外航海運業は、売上高が前年同期比15.0%増の387億7600万円、営業損益は2億7100万円の赤字(前年同期は18億1300万円の黒字)だった。ドライバルク船が、コロナ禍による経済停滞からの回復が顕著で原材料や製品の荷動きが堅調に推移したことから全体として好調。LNG(液化天然ガス)船もアジアにおける発電燃料の石炭からの転換効果などで堅調だった。しかし、大型原油タンカーやケミカルタンカーが船腹供給圧力や市場低迷などで低調に推移するなど、明暗が分かれた。

内航・近海海運業は、売上高が同7.5%増の45億900万円、営業利益は同50.3%減の1億800万円だった。内航ガス輸送は、第1四半期における複数プラントの定期修繕実施などで石油化学ガス出荷量の減少の影響を受けたものの、第2四半期は堅調に推移。LPG(液化石油ガス)は、民生用でコロナ禍による観光需要低迷で市況は低調だった。近海ガス輸送は、主要なプロピレンや塩化ビニルモノマーが国内プラントの修繕による生産減の影響を受けたが、中国向けの輸出関連需要にけん引されて堅調だった。