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日本GLPの相模原PJ街びらき、新たな物流の姿訴求

2021年11月11日 (木)

拠点・施設日本GLP(東京都港区)は11日、大規模多機能型物流施設プロジェクト「GLP ALFALINK(アルファリンク)相模原」(相模原市中央区)の街びらきイベントを開催した。日本GLPの物流施設ブランド「アルファリンク」の第1号案件となる巨大プロジェクトは、物流施設と街づくりを一体化させた新しい試みに挑戦する。今回、その壮大な取り組みの一端が披露された。

アルファリンクシリーズの共通コンセプトは、「創造連鎖する物流プラットフォーム」。「Open Hub」(オープンハブ、物流をもっとオープンに)、「Integrated Chain」(インテグレイティッドチェーン、サプライチェーンをつなぐ)、「Shared Solution」(シェアードソリューション、ビジネスの進化をサポート)をキーワードに掲げ、物流施設の機能を確保しながら、周辺の街づくりを一体化させた発想を斬新に取り入れた意欲的なプロジェクトだ。GLP アルファリンク相模原は、こうした発想を象徴する開発案件として早くも業界で注目を集めている。

GLP アルファリンク相模原は、日本を代表するクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏がコンセプト設計から参画している。コンセプトを具現化している施設が、共用棟「リング」だ。物流施設で働く従業員はもちろん、地域住民も世代を問わず活用できる施設として、まさに施設と街を結節する機能を果たす。直径90メートルの円形にあしらわれ、コンビニエンスストアやカフェテリア、託児所、カンファレンスルームなどが設置され、中央には芝生が整備される。「未来型の地域共生」をモチーフに掲げた。

▲(左から)佐藤可士和氏、日本GLPの帖佐義之社長、相模原市の本村賢太郎市長

イベントには日本GLPの帖佐義之社長と相模原市の本村賢太郎市長、佐藤氏が出席。帖佐社長は「このイベントは物流施設開発企業が街びらきを開く意義を広く伝える機会だ。未来志向の物流施設として、日本GLPがこれまで培ってきた取り組みのエッセンスを凝縮した『開かれた物流』を具現化した場だ」と話し、本村市長と「未来型の地域共生」のテーマでトークセッションに臨んだ。本村市長は「SDGsの観点からも、地域共生型の物流施設として協力していく」と応えた。また、テープカットに参加した佐藤氏は「物流の『次』の姿をイメージした。日本GLPのブランディングにも貢献する取り組みだ」と語った。地域住民への紹介の場も設けた。

▲GLPアルファリンク相模原の全体完成イメージ(クリックで拡大、出所:日本GLP)

GLP ALFALINK 相模原は、敷地面積29万4455平方メートル、延床面積67万3437平方メートルと関東最大級の規模を有する大規模多機能型施設として2020年に開発に着手。現在までに2棟が完成し、「GLP アルファリンク相模原2」を含む残りの2棟が工事中。24年12月に全施設が完成する予定だ。首都圏各地をはじめ東海や甲信越など広域アクセスも良好で多様な物流ニーズに対応できる立地が特徴で、荷主企業のへの訴求力も強い。

日本GLPは、千葉県流山市の「GLP アルファリンク流山」でも11月19日に同様の街びらきイベントを開催する。日本GLPが取り組む首都圏の東西における2大プロジェクトが、着々とその全貌を明らかにしようとしている。

物流と生活の「距離」を縮める挑戦は奏功するか

物流施設のイメージはこうも変わるのか。日本GLPの誇る首都圏2大物流開発プロジェクトの一つ「GLP アルファリンク相模原」を象徴するコンセプトの一端が、ついに姿を現した。

▲4棟の物流施設をつなぐ共用棟「リング」

共用棟「リング」を中心に、4棟の物流施設が取り囲むように配置される。大学のキャンパスを想起させるような、空間の広がりを感じさせる景観は、砂ぼこりを巻き上げる荒々しい赤茶けた倉庫のイメージとは別世界だ。むしろ完璧なまでに計算された街づくりの雰囲気そのものだ。これほどまでに若い学生や子供連れの家族が似合う物流施設が、これまでに存在しただろうか。

物流は、本来はこうした地域に最も密着したサービスであるはずだ。それはまさに、生活の一部といってよい。にもかかわらず、なぜ物流という仕事は日常から縁遠い存在になってしまったのだろう。アルファリンクは、そんな社会における物流の「距離感」を縮めてくれる役目を果たしてくれるかも知れない。そんな期待を込めて、美しく整えられた芝生の上からそびえ立つ物流施設群を見上げるのだった。(編集部・清水直樹)

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