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JR貨物通期は大雨運休響き下方修正、最終赤字へ

2021年11月12日 (金)

財務・人事

日本貨物鉄道(JR貨物)は12日、2022年3月期の通期連結業績予想を下方修正すると発表した。ことし5月14日公表の前回予想数値について、営業収益を2013億円から1918億円に、営業利益を111億円から47億円に、経常利益を100億円から37億円に、親会社株主に帰属する当期純損益を49億円の黒字から900万円の赤字にそれぞれ変更した。

ことしの夏から秋にかけての大雨で被災したJR山陽線や中央線の不通に伴う貨物列車の運行休止が響いた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済停滞からは回復基調にあるものの、緊急事態宣言の発出による飲食店の休業などで食品関連の輸送量の低迷が続いたことも影響した。北海道での干ばつにより農産品の作柄不良で輸送量が織り込んだこともマイナス要因となった。

2022年3月期第2四半期累計連結決算は、営業収益が前年同期比1.7%増の905億8700万円、営業損益が4億6400万円の赤字(前年同期は13億8100万円の赤字)、経常損益が同8億1100万円の赤字(同18億2300万円の赤字)、親会社株主に帰属する四半期純損益が24億8900万円の赤字(同19億5500万円の赤字)だった。

鉄道ロジスティクス事業は、営業収益が前年同期比2.8%増の813億円、営業損益が57億円の赤字(前年同期は65億円の赤字)だった。大雨による貨物輸送の休止やコロナ禍や北海道の干ばつによる一部貨物の低迷が響いた。

不動産業は、営業収益が同2.1%増の101億円、営業利益が同1.6%増の51億円で増収増益だった。コロナ禍による景気悪化で一部の既存物件で賃料を減額したものの、市場から購入した不動産物件やリノベーションした社宅の貸付をことし3月に開始するなど、賃料収入の拡大を進めた。