環境・CSR商船三井は1日、大島造船所(長崎県西海市)と共同開発を進めてきた大型商船用の帆(硬翼帆)が完成したと発表した。船の推進力を帆で補い、環境負荷を低減させる。同造船所で建造中のバルクキャリアに搭載する。
「ウインドチャレンジャー帆」と呼ばれるこの帆を使うことで、従来の同型船に比べて帆1本あたりGHG(温室効果ガス)排出量を最大で8%削減できるという。
今回の帆の開発は、2009年に東京大学が主宰する産学共同プロジェクト「ウインドチャレンジャー計画」として始まり、国土交通省も開発費を補助している。それを引き継ぐ形で、18年から両社が共同開発を続けてきた。
帆を搭載するバルクキャリアは試運転を経て今秋、東北電力向け専用船として完成する予定だ。商船三井は、50年までにグループ全体でのネットゼロ・エミッション達成を目指しており、クリーンエネルギーの活用で目標達成に近づける考えだ。