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国連WFP、避難者への緊急食糧支援呼びかけ

2022年3月2日 (水)

ロジスティクス
ロシアのウクライナへの侵攻を受け、世界食糧計画(WFP)は1日、ウクライナ政府からの要請を受け、ウクライナ国内と近隣諸国へ紛争から避難している人たちへの緊急の食料支援を開始すると発表した。支援には、5億7000万米ドルを必要とし、WFPはホームページで理解と寄付を呼びかけている。

WFPによると、進行中の戦争による人道的な影響は容易に推計できないとしながらも、紛争開始以降、42万2000人のウクライナ人が自国を離れて近隣諸国に避難しているとしている。ウクライナの西側の近隣諸国に向かって、何キロにもわたる交通渋滞が発生している。

黒海流域は、世界の穀物と農業生産の重要な地域のため、紛争による食料安全保障への影響はウクライナにとどまらない。

WFPのチームは、キエフ市内と近隣諸国に現場入りしており、国連を代表して緊急通信と物流支援を、先頭を切って行っている。

進行中の紛争の影響を受けている首都キエフと東部ハリコフでは、食料と飲料水が不足している地域があるとの報告もある。

(出所:WFP)

キエフにいるWFPのスタッフによると、食料物資が減り、スーパーの棚はほぼ空になっている。キエフの住民の多くは、地下鉄の駅に避難をしており、食料不足が課題となっている。

ウクライナの男性は国を離れることが許可されていないため、ポーランドとの国境に向かっている人びとの多くは女性や子どもたちだ。気温は夜間にはマイナス2度まで下がるなか、ポーランドへ渡るためには最大40時間かかるとみられている。このため、寒さや恐怖、飢えなどに直面している。

▲国連WFPの食料配布(出所:WFP)

かつてないほど人道的ニーズが高まっていることし、世界の大きな緊急事態へ食料支援を行っているWFPの活動にも影響が出かねない。WFPのデイビッド・ビーズリー事務局長は「ウクライナ、ロシアの地域から約半分の穀物を調達している。食料価格や輸送、原油、燃料費に劇的な影響が及ぶだろう。大惨事中の大惨事だ」とソーシャルメディアの投稿で伝えた。

WFPはウクライナへの対応のため、現在5億7000万米ドルを要請。財源は任意の拠出金によってすべてまかなわれていることから、日本国内の支援窓口である国連WFP協会は、国内での寄付を呼びかけている。

寄付受付サイト