ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

セイノーなど、山口県美祢市でドローン配送を実証

2022年3月8日 (火)

調査・データ山口県美祢市とセイノーホールディングス(HD)、エアロネクスト(東京都渋谷区)、NEXT DELIVERY(ネクストデリバリー、山梨県小菅村)の4者は8日、美祢市秋芳町嘉万・八代地区において、地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築に向けたドローン配送実証実験を、3月3日から3日間実施したと発表した。


今回の実証実験は、官民連携フォーラム「デジテック for YAMAGUCHI」(デジテックフォー山口)の会員同士が技術やノウハウを持ち寄り、山口県内をフィールドとした実証実験等を行い、新たなソリューションなどの先導的事例の創出を目指す「デジテック・オープンイノベーション」に提案し採択された取り組みとして実施した。

セイノーHDとエアロネクストは、ドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流「SkyHub」(スカイハブ)の社会実装を目指している。ドローン配送サービス事業を主体とするエアロネクストの子会社、NEXT DELIVERYが運航実務を担った。

山口県の中央部に位置する美祢市は、小規模な集落が広く点在しており、人口の44%を高齢者が占める。運送業界においては、人手不足や採算性から特に過疎地域における配送維持が課題となりつつある。物流の最適化に向けたラストワンマイルの輸送手段として、ドローン配送と地上輸送を連結・融合する新スマート物流システムを導入。買い物代行や災害時支援、医薬品配送などの仕組みをつくることで課題の解決を目指しており、実証実験には民間企業と行政が協働して取り組んでいる。

今回の実証実験は、美祢市の「秋芳八代ぬくもりの里」を仮設のドローンデポ、最寄りの集会所を仮設のドローンスタンドに設定してドローン配送を実施。地元住民に市内スーパーの食料品の詰め合わせセットや日用品、防災用品などを届けた。

▲半田弁天へ向けて飛び立つドローン(出所:西濃運輸)

秋芳八代ぬくもりの里から2.1キロ先の半田弁天へ向けてドローンを5分間飛行。ドローンに名水で有名な半田弁天湧水を積み込み、秋芳八代ぬくもりの里まで飛行して持ち帰った。その後、秋芳八代ぬくもりの里にて待機したキッチンカーにて、持ち帰った名水でい淹(い)れたコーヒーと「ますバーガー」のセット2名分を箱に入れ、仮設のドローンスタンドの一つである栢木公会堂まで1.2キロを3分間かけてドローンで配送した。

4者は今回の実証実験を契機として、過疎地域の課題解決を目指す新スマート物流の構築に向けて、住民に対するニーズ調査や最適な物流網を調査・検討する。それを受けて、将来的な構想として各社荷物等を集約化するドローンデポとドローンの着陸地点となる複数のドローンスタンドを設置し、地上配送と将来のドローン配送を想定した買物代行サービスについて段階的に開始する計画だ。