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海コン荷主間利用で輸送費削減、製造2社が発案

2022年3月16日 (水)

荷主耐熱電線やチューブなどを開発・製造するクラベ(浜松市南区)と、作業用手袋や長靴などを開発・製造するアトム(広島県竹原市)の2社は16日、海上コンテナを荷主同士で相互利用する物流体制を共同で整備し、3月17日に運用を始めると発表した。空コンテナの輸送距離低減により、CO2や輸送費を30%削減できるという。

このたび開始する輸送フローは、福山港(広島県福山市)から竹原市にあるアトムの本社工場に輸入されたコンテナを運び荷降ろしした後、空のコンテナを10キロ先にあるクラベのサプライヤー工場に回送。クラベの輸出品である自動車用耐熱電線材料を積み込んだ後、再び福山港に戻る。

(クリックで拡大、出所:クラベ)

コンテナは多くの場合で船社が所有していることから、輸入企業が使用していた空コンテナを別の企業が輸出で使うには、従来は同一社船で輸出入を行う必要があった。今回採用した輸送方式は、いったん貨物をコンテナから降ろすため、輸出入で船社を合わせる必要がなくなり、マッチングが容易になるほか、輸出ブッキングを回避できる。インランド・デポのようなコンテナを取引する特別な施設などを要することなく、中堅・中小企業でも既存の工場で実施できる。

海上コンテナをトラック代わりとして無制限に使用でき、貨物をコンテナから一度降ろすことで、輸出しない貨物の輸送にも運用できる。両社は「今後もこの取り組みを拡大させることで、カーボンニュートラルやドライバー不足などの物流課題に取り組む」としている。