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日本郵船など、LNG供給船を西日本で初稼働

2022年3月30日 (水)

ロジスティクス日本郵船は29日、合弁会社KEYS Bunkering West Japan(キーズ・バンカリング・ウエスト・ジャパン、北九州市戸畑区)と三菱造船が、液化天然ガス(LNG)燃料を船舶に供給する船舶「LNGバンカリング船」の造船契約を結んだと発表した。LNGバンカリング船は2024年3月に完成し、西日本地域での稼働は国内初になる見通し。環境負荷の低い燃料の普及を促すことで、脱炭素社会の実現に向けた温室効果ガス排出量の削減に寄与する。

▲LNGバンカリング船イメージ(出所:日本郵船)

今回建造する船の主発電機関には、LNGと重油の両方を燃料として使用できるデュアルフューエルエンジンを搭載する予定。国内のLNGバンカリング船で導入されるのは初めてとなる。

環境性能に優れたこのエンジンは、従来の重油使用時と比べて排出される硫黄酸化物と粒子状物質がほぼ100%削減できるほか、窒素酸化物は最大80%、二酸化炭素は30%の削減を見込める。年間10万トンのLNG燃料を供給した場合、重油からの転換により二酸化炭素削減量は10万トンになるという。

船は全長82.4メートル、全幅18.2メートルで、総トン数は4850トン。LNG積載容量は3500立方平方メートル。

KEYSはことし2月、日本郵船、九州電力、伊藤忠エネクス、西部ガスの4社で設立し、2024年春をめどに九州・瀬戸内地域での船舶向けLNG供給事業の開始を目指している。既に国土交通省港湾局によるLNG燃料供給施設の形成支援を行う補助事業に採択されており、今後は国の支援を受けながらLNGバンカリング船の建造や運航管理を推進する。

▲事業スキームイメージ(クリックで拡大、出所:日本郵船)