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川崎汽船など7社、日豪間の水素海上輸送を実証

2022年4月11日 (月)

▲記念式典の様子(クリックで拡大、出所:川崎汽船)

調査・データ岩谷産業、川崎重工業、シェルジャパン(東京都千代田区)、電源開発、丸紅、ENEOS(東京都千代田区)、川崎汽船の7社は9日、褐炭から製造した水素の液化水素運搬船による日豪間の海上輸送や荷役の実証試験を世界で初めて完遂したと発表した。

CO2フリー水素サプライチェーンの構築と商用化に向けて、褐炭を有効利用した水素の製造から輸送、貯蔵までの技術確立と実証に向けて7社が参画するHySTRA(技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構)として2016年から取り組んでいた、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成する、未利用褐炭由来水素の大規模海上輸送サプライチェーン構築に向けた実証事業の一環。

今回の実証事業を通じて、HySTRAは大量の水素を製造・輸送する技術を開発し、サプライチェーン構築時の課題を抽出するために、日豪間で実証試験を実施。2021年12月に日本を出港した世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」がことし1月に豪州に到着し、褐炭から製造した水素を積んで2月に帰港した。

液化水素運搬船から陸上の液化水素タンクへ荷揚げした後、実証試験中の各種運用データを検証した結果、無事に完遂できたことを確認した。

今回の実証試験の成果として、国際的な液化水素サプライチェーン構築が可能なことを立証できた意義は大きい。試験を通じて安全な運用を実証できた装置や設備は、今後のクリーンエネルギー事業を促進する要素となる技術であり、水素をエネルギーとして活用できる社会の実現に、さらに一歩前進した形だ。

HySTRA参画7社は今回の実証試験を契機として、さらなる設備の運用を通して将来の水素サプライチェーンの構築に資するデータや知見を積み重ねていく。