国際川崎重工業とダイムラー・トラックは2024年6月3日に、「ドイツ向け液化水素サプライチェーンの構築および欧州における液化水素ステーションの輸送網の構築に向けた協力の覚書」を締結したと発表した。6月11日にはドイツ・ベルリンで締結セレモニーが行われた。

▲(左より)欧州委員会のカドリ・シムソン 委員、ダイムラー・トラック 副社長 のマンフレッド・シュッカート氏、川崎重工代表取締役社長執行役員の橋本康彦氏、経済産業省の齋藤健大臣(出所:川崎重工業)
この覚書は、道路貨物輸送における液化水素の利用拡大を目指しており、両社は今後、液化水素サプライチェーン構築の検討に加え、液化水素ターミナル、大型および中規模の海上輸送、大規模な液体水素貯蔵についても検討を進める。2030年代早期には欧州への液化水素サプライチェーンの確立を目指す。
覚書の締結により、両社は水素事業への取り組みをさらに加速し、世界のカーボンニュートラル目標の達成と持続可能な未来に向けた脱炭素化に貢献していくとしている。
川崎重工は、液化水素に着目し、水素液化機、液化水素運搬船、液化水素貯蔵タンクなど、国際的な水素サプライチェーンに必要な技術を開発している。ダイムラー・トラックは液化水素を燃料とする次世代燃料電池トラックの開発を進めており、液化水素市場の先駆者となることを確信している。
ダイムラー・トラックの取締役会会長兼CEOマーティン・ダウム氏は、「経済的な価格でグリーン水素の提供を実現するための包括的な視点と活動を強化する」とコメントしている。