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世界初EVタンカー事業、川崎港に給電設備が完成

2022年4月15日 (金)

環境・CSR川崎市、旭タンカー(東京都千代田区)、東京電力エナジーパートナー(東京都中央区)の3者は14日、川崎港で建設を進めていたEVタンカー(電気推進タンカー)用の給電ステーションが完成したと発表した。実質100%の再生可能エネルギー由来の電気を、世界初のバッテリーのみを動力源とするEVタンカーに給電することが可能となり、温室効果ガスのゼロエミッション化達成に資する事業として注目される。

給電ステーションは2021年9月30日に3者が締結した「川崎港における電気推進船の普及促進等に関する基本協定書」に基づいた取り組みの一環。実質100%の再生可能エネルギー由来の電気供給を実現することで、年間で400トンものCO2削減効果があるとしている。これは一般家庭300世帯分の年間消費電力量に相当する。

▲EVタンカー「あさひ」(出所:旭タンカー)

同日は記念式典も行われ、大容量リチウムイオン電池を動力源とするEVタンカー「あさひ」が接岸する模様を披露した。あさひは世界で初めてとなるバッテリーのみを動力源とする電気推進タンカー。給電ステーションを活用することにより、1日の運航に要する12時間分の電力を夜間停泊中に充電することができる。

同船は騒音や振動を抑制する造りで、乗船員の労働環境や周辺環境にも配慮。陸上に電力を供給できる機能を搭載しており、災害時の非常用電源として活用できるなど、BCP(事業継続計画)対策につながる役割が期待される。今後は主に舶用燃料供給船として東京湾で就航するという。

23年5月には2隻目のEVタンカーの完工を予定する。3者は「今後も、ゼロエミッション電気推進船の普及を通じた新しい海運インフラサービスの構築と、環境への負荷の少ない持続可能な循環型社会の実現に向けた先導的な事業として、EVタンカーの運航に係る事業を協力して推進していく」としている。