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旭タンカー、e5ラボのゼロエミタンカー2隻発注

2020年10月12日 (月)

環境・CSR旭タンカー(東京都千代田区)はこのほど、世界初のゼロエミッション電気推進タンカー2隻を、興亜産業(香川県丸亀市)と井村造船(徳島県小松島市)に1隻ずつ発注したと発表した。バッテリー推進システムは川崎重工が提供しており、2022年・23年の3月にそれぞれ竣工する見通し。

同船は、e5ラボ(イーファイブ・ラボ、東京都千代田区)が企画・デザインした大容量バッテリータンカーで、舶用燃料供給船として東京湾内に就航する予定。

船の基幹エネルギーシステムを完全電化することで、船から排出される二酸化炭素や窒素酸化物、硫黄酸化物、ばい煙などをなくし、環境負荷を低減するとともに、騒音や振動を抑えることで乗組員の労働環境や港湾周辺環境を改善。また、自動化設備やIoT機器など、さまざまなデジタルツールを採用することで、乗組員の船内労務の負担軽減と運航効率向上を実現する。

加えて、緊急時には洋上大容量バッテリーとして、船内に貯めた電気を陸上に送ることで、大規模災害時の事業継続計画対策や地域・生活継続計画に貢献するものとして期待されている。


▲災害時の電力供給システム(出所:旭タンカー)

電気タンカーの概要
寸法:全長62メートル、全幅10.3メートル、喫水4.15メートル
船級:ClassNK 日本海事協会
積載貨物:重油
総トン数:499トン
速力:10ノット
タンク容量:1280立米
推進装置:アジマススラスターx2基(300キロワット)、サイドスラスターx2基(68キロワット)
バッテリー容量:3480キロワットアワー
推進器システム制作:川崎重工業

ゼロエミ船の実用化へe5ラボのコンソーシアム形成