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三菱自「ミニキャブ」バン・トラック改良モデル登場

2022年4月22日 (金)

▲ミニキャブトラック(出所:三菱自動車工業)

サービス・商品三菱自動車工業は、軽商用車「ミニキャブバン」「ミニキャブトラック」のエンジンを改良して燃費性能を向上させた新モデルを4月21日に発売した。ラストワンマイルを中心とした物流現場で活躍する「ミニキャブ」シリーズの市場投入を拡大。物流領域にビジネス機会を見出し戦略的なモデル開発を進める動きが、自動車メーカーの間で広がってきた。

ミニキャブバンは、雨に濡れずに荷物を配送できるのが強みで、宅配事業者をはじめ広く輸送シーンで活用されているモデルだ。三菱自は、可変バルブタイミング機構を排気側にも採用するなどエンジンを改良。4A/T車はアイドリングストップ機能「オートストップ&ゴー」を採用することで、燃費性能を10%向上させた。

上級グレードはターボエンジン搭載の「ブラボーターボ」を廃止して自然吸気エンジン搭載の「ブラボー」を新たに設定。ディスチャージヘッドライトの採用や新色の「クールカーキパールメタリック」を設定するなど、意匠にもこだわった。


▲ブラボー(左)とミニキャブバン(出所:三菱自動車工業)

ミニキャブトラックは小型トラックの定番として、さまざまな荷姿の配送物を運んでいる。こちらもミニキャブバンと同様に可変バルブタイミング機構を排気側に採用。A/T車では3A/Tから4A/Tに変更し、オートストップ&ゴー機能も採用することで、燃費性能を高めた。トリイのロープフックを2か所から4か所に増やすことで、作業性を向上させたのが特徴だ。

車両本体のメーカー希望小売価格はミニキャブバンが103万5100円から158万5100円まで、ミニキャブトラックが92万5100円から139万5900円まで(税込)。

自動車メーカーが下支えする「ラストワンマイル輸送」

消費スタイルの多様化で、物流機能のなかでも一躍、注目を集めているラストワンマイル輸送。その名の通り、輸送工程で「ラスト」(最終)の「ワンマイル」(1マイル)区間であることを意味しており、いわば「荷物が顧客に到達する最後の区間」というわけだ。

新型コロナウイルス感染拡大などを契機としたEC(電子商取引)ビジネスの急速な普及による消費スタイルの多様化は、宅配需要の急拡大を引き起こしている。そこで認識が広がっているのが、ラストワンマイル輸送の重要性だ。

三菱自は、こうした社会動向をビジネスチャンスにつなげる好機と判断。ミニキャブシリーズのバンとトラックの改良モデルを市場投入した。とりわけ軽バンは、食品など急増する個人宅への配送業務に欠かせない輸送手段として、全国の道路を走り回っているラストワンマイル輸送は、短距離を高頻度で車両を駆動する特徴があることから、高効率で低燃費のエンジンが要求される。

三菱自という大手自動車メーカーが、こうした物流ニーズ対応したモデルを市場投入する時代。ラストワンマイルという概念が社会に及ぼす影響力の高さを物語っている。社会に不可欠なインフラとして認知された物流機能は、こうした自動車メーカーとのタッグで成立しているのだ。(編集部・清水直樹)