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東北大や郵船、環境DNA活用ビッグデータ運用開始

2022年6月3日 (金)

環境・CSR水中や土壌中など環境中に存在する生物由来のDNA(デオキシリボ核酸)「環境DNA」を利用した生物多様性観測ネットワーク「ANEMONE」(アネモネ)を主催する、東北大学大学院生命科学研究科と日本郵船、同社グループの近海郵船(東京都港区)、宮城県南三陸町、特定非営利活動法人アースウォッチ・ジャパン(東京都文京区)は2日、環境DNAを用いた魚類調査によるビッグデータ「ANEMONE DB」について、オープンデータとして運用を開始したと発表した。

▲海水サンプリングを行う近海郵船の運航船「ましう」(出所:日本郵船)

人間活動による生物多様性の喪失が進む一方で、自然環境を回復基調に乗せようとする「ネイチャーポジティブ」の国際的な潮流が広がりを見せている。しかし、自然の現状を把握する生物調査には膨大な労力や費用がかかることから、幅広い範囲を効率的に調査する手法の確立が課題になっている。

環境DNAは、「バケツ一杯の水」から存在する生物の種類や分布が分かる、日本で開発された革新的な生物調査手法だ。ANEMONE DBは環境DNAによるデータベースで、「生き物の天気図」として幅広い業界での活用が期待される。このデータベースは東北大学大学院生命科学研究科の近藤倫生教授の統括のもとで開発・運用されており、充分なデータが蓄積されたことから、このたびオープンデータとして一般に公開することとした。

日本郵船などによると、環境DNA調査データを蓄積した専用データベースの構築とオープンデータとしての一般公開は世界初という。

▲環境DNA分析結果閲覧画面。検出量に応じた大きさで表示される仕様