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シャンプーや洗剤の空き容器回収、横浜で実験

2022年6月15日 (水)

▲店舗での回収イメージ(出所:日本チェーンドラッグストア協会)

ロジスティクス日本チェーンドラッグストア協会(JACDS、東京都港区)は14日、日用品分野のリサイクルを進めるため、使用済みのシャンプーや液体洗剤などの空き容器を店頭で回収する仕組みづくりのプロジェクトを発表した。6月末から半年間、横浜市内で実証実験を行う。リサイクルのための「静脈物流」の構築が課題の一つという。

このプロジェクトはサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現を目指し、ドラッグストアやメーカーを横断した共通の回収プラットフォームを構築しようというもの。2021年10月から会員企業や主要日用品メーカーで検討を進めてきた。米環境系企業テラサイクル(ニュージャージー州)の日本法人、テラサイクルジャパン(横浜市中区)がコーディネーターを務めている。

実験は6月30日からことし12月31日まで、横浜市内のドラッグストア31店舗で行う。店頭に回収箱を置く。回収対象は、シャンプー、ボディソープ、液体洗剤などのボトルや詰替え用パウチなど。ペットボトルや食品容器、チューブや、中身が残っているものは回収の対象外。

実験では、回収量やコストをつかみ、店舗スタッフの役割や、協力してくれた人へのポイント還元の方法といった課題を洗い出す。同時に生活者にサーキュラーエコノミーの普及啓発を行う。

回収した容器は、破砕してペレットにし、買い物カゴに再生する。この買い物カゴのサンプルを店舗の回収箱の脇に置いて、来店者に理解と賛同を促す。

▲店頭での回収から再生品作成のスキーム

また、回収協力への動機付けとして、回収量に応じて「テラサイクルポイント」と呼ぶポイントを付与する。今回の実験ではポイントは換金され、原則、NPO団体に寄付される。ただ、回収に協力した人が希望すれば自らポイントを取得することも可能。その場合は換金はできず、書籍や小物に換えられる。

協会は、回収した容器の静脈物流の構築を大きな課題と考えている。実験では宅配便を使い、より効率的で各社共同の物流ルートの姿を探る。

実験への参加企業は、 JACDS会員企業のウエルシアホールディングス、トモズ、マツキヨココカラ&カンパニーと、日用品メーカーの花王、P&Gジャパン、ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング、ライオン。

■プログラムの詳細
https://www.terracycle.com/ja-JP/brigades/jacdscep