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ドローンが医療品輸送に成功、デンマークで初実施

2022年6月30日 (木)

メディカルTerra Drone(テラ・ドローン、東京都渋谷区)は29日、グループのユニフライ(ベルギー)がデンマークで、ドローンによる医療品の長距離輸送に成功したと発表した。同国の国家プロジェクト「HealthDrone」(ヘルス・ドローン)の一環で、離島の医療環境の改善に大きな前進となった。

▲医療品長距離輸送に成功したドローン(出所:Terra Drone)

長距離輸送は5月30日にデンマークで行い、血液や医療品を運んだ。中南部のスベンボーの大学病院からバルト海のエーロ島までの50キロ間を、高度80メートルで飛行。フェリーや車では75分かかるところを40分で届けた。大幅な時間短縮で、患者への迅速な治療が可能となることを確認した。同国では初めて医療用ドローンの無線接続による医療品長距離輸送ができたとしている。

例えば離島の住人が血液検査を実施する場合、これまでは病院で血液サンプルを分析するために住人自らがフェリーと自動車でサンプルを持参する必要があった。医療用ドローンを使用することで、住人が病院に出向かずに済み、迅速な検査が実現する。

今後は、病院や研究所、医療センター、老人ホーム、在宅介護の間で、医薬品や機器の輸送を実施する予定だ。離島のほか、病院から遠い地域にも利用を広げ、より多くの患者にドローンによる輸送サービスの提供を目指す。

ユニフライは大手ドローン運航管理サービス・プロバイダーの世界的なリーディングカンパニー。運航管理技術開発を手掛けており、デンマークの国有企業や交通局、大学とともにドローンがヘリコプターや航空機を安全に回避する運航管理システムを開発した。テラ・ドローンはユニフライの筆頭株主で、国内外でドローンなどの開発やソリューション(解決策)の提供を行っている。

▲デンマーク初の健康ドローンを無線接続で送り出す準備をするデンマーク交通大臣のトライン・ブラムセン氏(中央)