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日野、東大発ベンチャーと組み車両位置情報活用へ

2022年6月30日 (木)

(イメージ)

荷主日野自動車は6月30日、東京大学発のITベンチャー、LocationMind(ロケーション・マインド、東京都千代田区)と資本業務提携を結んだと発表した。ロケーション社は様々な位置情報を使ったITサービスを手がけており、両社共同でトラックの位置情報に基づく運行管理システムを開発する。日野製トラックを使う運送事業者向けに2022年度中にソリューション(解決策)としてソフトウエアを提供する計画という。

日野がロケーション社に2億円を出資するほか、車両データやトラック・物流業界に関する様々な知見やノウハウを提供する。

ロケーション社は東京大学の研究室から始まったベンチャー企業。AI(人工知能)を使って位置情報のビッグデータの分析を行っている。位置データを「重要な資源」と捉え、分析結果を様々な形で流通させることを目指している。

提携を前に、日野が大手トラックメーカーとして顧客企業から預かっている車両データについて、「日本のトラック輸送を変える力がある」と、その価値を評価した。最近の日野製の大型・中型のトラックには各種データを記録・送信する端末が搭載されており、データが無線で送受信できる。両社はその分析と見える化を行い、安心・安全な運行をリアルタイムで支援するシステムを開発したい考えだ。すでに共同で実証実験を重ねている。

また、日野は位置データを活用できるケースを発掘したり、顧客企業の意見の吸い上げなども行い、ロケーション社を支援する。開発成果の第1弾となるソフトウエアを22年度中に顧客企業に提供し、将来的には運送会社のほか、インフラ事業者や自治体などへの販売を目指すという。