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商船三井1Qは純利益2.7倍、船賃高や円安押し上げ

2022年7月29日 (金)

財務・人事商船三井が29日発表した2022年4-6月期連結決算(2023年3月期第1四半期決算)は、売上高が前年同期比29.7%増の3747億8300万円、本業のもうけである営業利益が2.9倍増の235億9700万円、経常利益が2.7倍増の2841億9100万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が2.7倍増の2857億7900万円と、増収・大幅増益となった。中国上海市のロックダウン(都市封鎖)などの悪影響もあったが、新型コロナウイルス感染症の発生以来の海上運賃の高止まりに加え、歴史的な円安がドル建ての売り上げを膨らませ、前期から続く好業績を大幅に押し上げた。

ドライバルク事業は、堅調に推移したケープサイズとパナマックスの市況環境に加えて、オープンハッチ船での往航のパルプ輸送需要と復航の一般バルカー市況の改善もあり、事業全体では増益となった。エネルギー事業は、タンカーが船腹供給の超過状態が解消されず厳しい市況が続いた一方、石油製品船は、ロシア出し石油製品の代替調達による伸長も重なり、市況が高値で推移、事業全体では増益となった。

製品輸送事業は、コンテナ船が持分法適用会社であるオーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)の事業で中国・上海市でのロックダウンなどを原因とした需給環境軟化の影響があったが、スポット賃率が前年同期を大幅に上回るレベルで推移し、大幅な増益となった。自動車船は、世界的な半導体不足や上海ロックダウンの影響で部品供給不足などサプライチェーンが混乱し、完成車の生産・出荷に影響があったが、船腹量の調整などにより前年同期並みの輸送台数を確保した。

また、ONEは今四半期も大幅な増益となり、営業外収益で持分法による投資利益として2329億円を計上した。

23年3月期通期の業績予想については、ことし4月時点の予想値を据え置いた。売上高は1兆4700億円、営業利益は700億円、経常利益は7100億円、親会社株主に帰属する当期純利益は7000億円とした。