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タクシー食品宅配特例9月以降も延長、恒久化視野

2022年8月1日 (月)

(イメージ)

行政・団体国土交通省は、現在、タクシー事業者に時限的に許可しているフードデリバリー事業の特例措置について、期限である9月末以降も延長する方針を明らかにした。2020年に新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、タクシー事業者の救済などの目的で導入したが、「タクシーで飲食料品を運送しても問題が生じていないことが確認できた」などとして継続することにした。同省は特例措置の恒久化も視野に入れている。

この特例措置は、正式には「タクシー事業者による食料・飲料に係る貨物自動車運送事業の許可」という。コロナ禍初期の2020年4月、初めての緊急事態宣言の発令下でタクシーの旅客減や飲食店の来客減などへの対応措置として始まった。当初は道路運送法の規定でスタートし、同年10月に現在の貨物自動車運送事業法に基づく同省の通達による時限措置に切り替えて継続していた。

スタートから2年余りを経て、政府による行動制限は緩和され、「ウィズ・コロナ」という社会・経済のスタイルも広がってきているが、同省は「引き続き継続を希望するタクシー事業者がおり、一定のニーズも存在すると考えられる」として延長が妥当と判断した。延長方針は同省が7月27日に公表し、同時にパブリックコメント(意見募集)も始めた。8月26日まで意見を募り、さらに検討を加えた上で、9月上旬に新たな通達を出し、それに基づく許可申請も受け付ける。

10月1日からは制度をいくぶん改正し、新制度として始める。現行では2年となっている許可期限を、原則1年に短縮し、1年を限度として延長できるようにする。特例措置の実施期限はあえて定めず、事業者やそれを取り巻く状況を見た上で、問題がなければ、正式な規制緩和としてそのまま恒久化することも検討する。

同省自動車局貨物課によると、ほかの運送事業者への影響については、一般的なデリバリー事業者が使うバイクや自転車と、トラック運送会社の軽トラックや小型トラックとの棲み分けはできると考えたという。また、フードデリバリー需要の急拡大で、タクシーによる宅配で供給不足を補えるとの判断もあったと見られる。

意見募集は8月26日まで。国土交通省自動車局貨物課宛てで、電子メールかファクス、郵送で受け付けている。同省は寄せられた意見を制度に反映することを検討する。

■問い合わせ・意見の送り先
電子メール:hqt-g_tpb_kmt2@gxb.mlit.go.jp
ファクス:03-5253-1637