事件・事故7月31日12時15分ごろ、山口県周南市の徳山下松港晴海ふ頭で、内航コンテナ船大手の井本商運(神戸市中央区)のコンテナ船「まや」(749総トン、6人乗り組み)が荷積み中に荷崩れを起こして転覆した。積荷のコンテナ約100個のうち一部が海中に転落、燃料油も少量流出した。男性乗組員3人が海に転落し、うち70歳代の1人が海水を飲んで病院に搬送されたが、命に別条はなかった。
徳山海上保安部や同社などによると、この事故で、コンテナのうち11個が漂流したり沈んだりした。港長を兼務する同海保の保安部長が31日15時に同港を航泊禁止にし、その後、漂流していたコンテナは回収した。安全が確認出来次第、航泊禁止を解除する。
同海保が原因を調べている。事故の第1報は「コンテナ船が傾いて沈みかけている」という複数の発見者からの118番通報だった。船は右舷を下にして転覆し、水没した。事故直後、同海保の巡視艇など4隻が出動し、海中転落した3人を救助した。当時の天候は曇りで、南東の風5メートル、波の高さ0.3メートル、気温31度だった。
井本商運によると、同船は2008年建造で、全長は91メートル35。同社と独立行政法人鉄道・運輸機構が共同で船主となっている。同行でコンテナを積み、神戸港へ向かう予定だったという。
同社は翌1日、事故について発表し、「港内航路やコンテナターミナルの荷役再開、流出コンテナの回収、燃料油の回収、被害状況の調査に全力を尽くしている」としている。「一刻も早く原因究明を進め、再発防止策を徹底する」ともコメントした。