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米ミネソタ州で28万平米の超巨大倉庫誕生

2022年8月23日 (火)

国際電子部品販売大手の米Digi-Key Electronics(デジ・キー・エレクトロニクス)はこのほど、ミネソタ州の本社にある製品流通センターを3.8倍に拡張したと発表した。28万平方メートルの超巨大倉庫が誕生した。各種自動化装置を装備し、従来の3倍近い1日当たり2万7000個の商品のピッキングや梱包、出荷が可能になったという。

発表によると、同センターはこれまでも80万平方フィート(7万平方メートル)と十分巨大だったが、220万平方フィート(20万平方メートル)拡張し、300万平方フィート(28万平方メートル)となった。面積では北米で上位10位以内に入るという。

▲製品流通センター拡張に際したセレモニーの様子(出所:Digi-Key Electronics)

2018年に着工し、今月17日に完成式典を行った。建物は同州を拠点とするWidseth(ウィドセス)が設計を行い、ゼネコンのMcShane Construction(マクシェーン建設)が建設を担当した。屋内のオートメーション装置やオペレーション装置は、KNAPPがデジ・キーと協力して設置した。

広い施設内には27マイル(43キロ)以上に及ぶ自動ベルトコンベヤーが設置され、商品は建物内で3200フィート(960メートル)を移動する。ほぼ完全なオートメーション化がなされ、人の手で行うのは部品をピッキングする作業のみという。部品が納められたラックの中でカートが機械に誘導されて動くが、カートの操縦者は停車位置のみを指定すれば済む。こうした最新鋭システムによって、作業時間は10%以上節減でき、安全性も大幅に向上するという。

また、災害対策として、6台の緊急用ディーゼルエンジンとポンプ、消火用水槽が備えられている。雨水排水施設と排水池も設けられ、地域の洪水や渇水にも対応できる。環境対策にも力を入れており、屋根には太陽熱を反射させる白のフィルム、電力消費を最小限に抑えるセンサー作動型LED灯、エネルギー消費と効率を最大化する特別設計の運搬システムが施されている。

従業員の労働環境面では、共用ワークエリアや休憩室が複数あり、休憩室には自然光を適度に取り入れる大型窓もある。カフェや授乳室(16部屋)、静音室も用意した。施設の拡張により、1000人以上の雇用創出効果が期待されている。

デジ・キーは、即時出荷可能な在庫製品の品揃えが強みで、2300社強の一流メーカーの1050万点超の部品を扱っている。