UDトラックス、神戸製鋼製鉄所でスラグ自動搬送

荷主UDトラックスと神戸製鋼所は26日、神戸製鋼加古川製鉄所（兵庫県加古川市）でのレベル4自動運転（特定条件下でのシステムによる走行）技術を搭載した大型トラック「クオン」を使い、自動搬送に関する実証実験を実施したと発表した。大型荷物の搬送作業を自動化し工場インフラに統合することで生産性を高め、人手不足の解消や持続可能な物流網構築に寄与するのが狙い。

▲自動運転実証の様子（出所：UDトラックス）

実証は両社による基本合意に基づく取り組みで、2022年8月末から10月末にかけて行った。同製鉄所内の水砕スラグを運搬するコースの一部を利用して行った。クオンのダンプトラック1台が重さ17キロのスラグを積載。複数の異なる地点まで自動搬送し、途中の停止や搬送物の積み降ろしなど複雑な運行作業も自動で行った。

実証の目的は、実際のオペレーション環境下で自動運転技術の運用の正確さやセンサー類への影響、システムの信頼性などをチェックすること。その結果、水たまりや段差、ぬかるみといった過酷な不整地をはじめ、雨や霧といった天候の下で車両に組み込まれた自動運転システムが正しく作動し、安定走行することが確認できた。

衛星からの信号が構内のさまざまな施設で遮断されやすい環境でも、測位とナビゲーションに従って走行経路を走ることができたとしている。

実証では、搬送だけでなく一連のオペレーションの自動化も実現。車輪で走行するトラクターショベル「ホイールローダー」で積み込まれたスラグは、オペレーターの指示を受け、事前に登録されたスラグ投入口（ホッパー）へ自動搬送された。荷降ろし場では、新明和工業（兵庫県宝塚市）の自動ダンプ機能が作動し、スラグがホッパーに流し込まれた。

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LOGISTICS TODAY編集部
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