
▲SBSホールディングスの鎌田正彦社長
ロジスティクスSBSホールディングスの鎌田正彦社長は10日、この日開催した2022年12月期通期連結決算の記者会見で、2030年を目標とする売上高7000億円の早期達成に意欲を示した。足元では、佐川急便やヤマト運輸といった大手宅配で相次ぐ運賃改定の動きについて、SBSグループにとって「チャンス」「追い風になる」と商機につなげていく考えを表明。M&Aは大手に照準を定め、注力するEC(電子商取引)物流領域の拡大を目指して専用拠点を建設する方針も明らかにした。
会見での鎌田社長の主な発言は次の通り。
経営計画
3か年計画の最後になる2025年には、売上高5000億円に挑戦する。成長イメージとしては3PLを中心にBtoB強化、EC物流、国際物流、ロジ基盤の整備をやりながら、5000億円に向けて社内一丸で取り組む。そして、次は7000億円をやる。なんとか2030年までに達成したいが、もっと前倒ししたいと個人的には思っている。7000億円が見えてくれば、1兆円は意外と早く見えてくるだろう。まず目先の5000億円に挑戦したい。
大手宅配の運賃改定表明
結構なチャンスだと思っている。SBSは、BtoBの宅配網が日本国内で6割くらいできていて、追い風が吹いている。BtoCもいろいろなところから引き合いが来ている。佐川、ヤマトの値上げを受けて「SBSにやってくれないか」という話もあり、我々にとっては追い風になってくるのではと思っている。
昨秋頃から電気料金や燃料費が上がったので、少しずつお客様に値上げのお願いをしてきた。ことしに入って大手の値上げ表明があり、2024年問題もあるので、グループ各社が年明けから運賃の値上げのお願いに動いている。
大手他社が値上げするほどの値上げにはならない。きちんとコスト転嫁はしていくが、大手ほどの値上げ幅ほどやる必要はないと思っている。
M&Aと拠点開発の方針
M&Aは引き続きやる。小さいM&Aというよりも、できれば大きなものをやりたいが、これが縁があること。いつできるかは分からない。拠点開発はEC物流を大きくすると大きな拠点が必要になる。そのための土地は抑えて買っている。拠点をどこに建設するかは分からない。海外企業のM&Aは、いまのところ考えていない。
「EC物流お任せくん」の反響
現在、TVCMやタクシーCMをやって、かなり拡散していて順調なスタートだ。昨年末から2月初旬までで、すでに40、50件程度の問い合わせがきている。EC物流で1000億円を目指すという社内プロジェクトとして、EC物流をやるために500坪の倉庫内にいろいろなロボットを入れ、どれがEC物流に適しているかテストしている。そのめどが立ってきたので、千葉県野田市の倉庫に最低でも1万坪のECセンターをつくる。
ことしはスモール&ミドル(中小企業)の顧客から始めて、来年はミドル・ラージの顧客を取り込んでいく。25年以降は1000億円の仕上げにかかる必要があり、20万坪の倉庫が必要。営業を加速させるためにもCM戦略を考えて本格的にやる。
物流施設の需給動向
結構いま飽和状態になっていると思う。倉庫は意外と余ってきている。建築費は坪単価が70万円とか60万円とかと耳にする。これから建築していくとなると、賃料はどんどん上がっていって業界がおかしくなる。SBSは元々安い土地を持っているので、たとえ建築コストが上がっても競争力で負けない。建築コストが上がりすぎている。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com