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JR貨物3Qは減収赤字、通期も営業赤字に下方修正

2023年2月13日 (月)

財務・人事日本貨物鉄道(JR貨物)が13日発表した2023年3月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比0.3%減の1401億3300万円、営業利益が9億5500万円の赤字(前年同期は31億200万円の黒字)、最終利益が21億6600万円の赤字(同7300万円の赤字)と、減収赤字決算となった。

発表によると、鉄道ロジスティクス事業では、8月の北海道・東北・北陸を中心とした大雨の影響による運休と大幅な減送に加え、コンテナが12月の新潟地区を中心とした風雪害や、紙・パルプ産業の生産減、10月の食料工業品値上げによる需要減少が響き、自動車部品や家電・情報機器の回復はあったものの、コンテナ全体の輸送量は前年同期比1.3%減となった。一方、車扱は、新型コロナウイルス感染症の影響緩和でガソリン需要が増えたことから石油輸送量が前年を上回った。車扱全体では1.9%増となったが、コンテナ・車扱の輸送量合計では0.4%減となった。

経費面では、不要不急の工事や施策の精査を行うなど圧縮に努めたが、ウクライナ情勢の長期化に伴う原油高騰や物価高騰に起因するコスト増を受けた。この結果、同事業の売上高は1.5%の減収、営業利益は95億円の赤字(前年同期は49億円の赤字)と赤字幅が広がった。

不動産事業はマンションの賃貸・分譲販売が好調で8.5%の増収、8.5%の営業増益となったが、会社全体の減収・営業赤字転落を食い止めるほどではなかった。

23年3月期通期の連結業績は、22年11月時点の予想値を下方修正し、売上高を1894億円(従来予想は1948億円)、営業利益を20億円の赤字(同22億円の黒字)、最終利益を41億円の赤字(10億円の赤字)とした。

11月時点では、新型コロナウイルス感染症の抑制と、入国制限の撤廃や政府・自治体の経済対策に期待し、輸送量回復と営業黒字を予想していた。しかし、その後も輸送量はコロナ禍前と比べておおむね10%減で推移しており、原油などのコスト高も続く。同社は「全体の輸送量がコロナ禍前の水準まで回復することは難しい」と判断を改め、新たな業績予想では、前期比でなお1.5%の増収を見込むものの、営業利益の黒字化は難しいとし、最終利益は赤字幅の拡大を見込んでいる。

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LOGISTICS TODAY編集部
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