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NXHD、国際輸送のCO2排出量算出ツールを提供

2023年3月8日 (水)

環境・CSRNIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)は8日、国際輸送における航空・海上・トラック・鉄道輸送から排出されるCO2を算出できるツール「NX-GREEN Calculator」の提供を開始した、と発表した。

発表によると、同ツールは航空や河川輸送時の「はしけ(バージ)船」などを含む船舶、トラック、鉄道の国際輸送の経路における各輸送モードに対応。発着地や荷物の個数、重量、輸送モードを入力すると、発地から着地までのCO2排出量を算出して可視化するサービスだ。

▲CO2排出量の算出結果画面イメージ(クリックで拡大、出所:NIPPON EXPRESSホールディングス)

世界各地の空港、港、鉄道貨物駅のほか、都市名・世界各国の郵便番号から指定することで、発着地間の距離を計算してCO2排出量をはじき出すことができる。経由地も指定することにより、一層細かな輸送経路の各段階における排出量の計算や、一定期間の輸送データを元にした複数件の排出量を一括で計算する機能も搭載。日本語・英語・中国の3言語版を用意してグローバル対応する。

ESG経営をより一層推進するためのツールとして、国際輸送まで網羅したCO2の「見える化」を図ることで、持続可能な社会の実現に積極的に取り組むとしている。

■「NX-GREEN Calculator」(NXHDホームページ)
https://www.nittsu.co.jp/logistics_solution/it/eco_solution/emission-cal.html

国際輸送ビジネス推進の前提条件である「環境対応への積極的な姿勢」

物流業界で環境負荷低減を推進する機運が急速に高まっている。長距離輸送におけるトラックから鉄道や船舶へのモーダルシフトがその代表例だが、他にもさまざまな領域で脱炭素化の動きが広がっている。

とはいえ、とりわけ国際輸送の場合は、各国における陸上での輸送に加えて、国際間の海上や航空によるモードも含めた幅広い機能があり、それぞれの部分で個別に環境対応を講じるのはハードルの高い取り組みだ。各国で異なる事業者が業務を担うケースが大半である国際輸送であれば、言語の壁をはじめとするさまざまな障壁があるだろう。

NXHDが提供を始めた「NX-GREEN Calculator」は、こうした国際輸送における環境対応の円滑化に大きく貢献する取り組みと言えるだろう。輸送モードや発着地、個数などのデータを入力すれば、発着地間のCO2排出量を算出して可視化することができる。3言語に対応した仕様も実用的だ。

技術的なシステムの完成度の高さもさることながら、NXHDがこうしたサービスの提供に踏み切る要因は、持続的な社会の創出に向けた環境対応を強力に推進する機運がグローバル経済における潮流となっている現状にある。

環境対応に積極的な姿勢を明確に示すことで、グローバルでのビジネスへの参画を進めることができる。つまり、こうした取り組みに消極的であると評価されてしまえば、市場から締め出されてしまうのだ。

もはや国際輸送で世界をリードするためには、こうした環境施策への対応が欠かせないのは共通認識となっているのだ。NXHDの今回のサービスも、こうした国際物流というビジネス環境の現状を踏まえた取り組みであると言える。

モノをいかに環境に負荷をかけずに運ぶか。それは地球上の地域を問わない命題になっている。その前提を忘れずに付加価値の高いビジネスを展開していくことが、世界のスタンダードを築く絶対条件なのだ。(編集部・清水直樹)

日通、CO2排出可視化ツールに妥当性評価|短報

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