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欧州の物流・電力・高速道路企業が脱炭素化で提携

2023年3月10日 (金)

国際いずれもフランスに本拠を置く物流企業のCEVA Logistics(セバ・ロジスティクス)と電力・ガス会社ENGIE(エンジー)、高速道路運営会社SANEFは9日、欧州での長距離トラック輸送の脱炭素化を加速させるため提携し、「欧州クリーン輸送ネットワークアライアンス」(ECTNアライアンス)を立ち上げたと発表した。欧州の高速道路で高出力の電気充電器とバイオガスおよびグリーン水素用ポンプを備えた長距離トラック用の中継拠点を整備する計画だ。成功すれば、EVトラックのバッテリー容量の不安を克服し、ドライバーの労働環境も大幅に改善するという。

発表によると、3社は専門知識を結集し、欧州の高速道路でEV(電気自動車)による輸送を行うために低炭素エネルギーソリューションを備えたトラックターミナルのネットワークを構築・運営する。各ターミナルを欧州の高速道路に戦略的に配置し、ITソリューションを駆使して運送会社が最も速く、最も効率の良い方法で運送ルートと充電スケジュールを計画できるようにする。長期的には、このターミナルネットワークをすべての荷主企業と運送会社に開放し、各社が充電や燃料補給のために電気や低炭素バイオガス、水素に簡単にアクセスできるようにする。

▲ECTNソリューションのイメージ(クリックで拡大、出所:CEVAロジスティクス)

この提携は、長距離トラックドライバーの労働条件を改善することも目的としている。ドライバーは各ターミナルでけん引してきたトレーラーを別のトラクターに交換して引き返すことができ、自宅の近くで仕事を終えられる。3社はこの提携が最終的にトラック運送業界をより魅力的なものにし、欧州でのドライバー不足を緩和する一助になるとみている。

計画では、ことしフランスのリール圏とアヴィニョン圏の間の高速道路で2年間の実証実験を始め、欧州規模での展開の前に実現可能性を探る。20台の低炭素トラクターユニット(バイオガス、電気、グリーン水素の混合エネルギーで走行)を搭載した専用車両が、フランスの北部と南東部の間で毎日20台のトレーラーをけん引し、セバの5拠点でトレーラーの中継と交換を行う。

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