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東芝テック、RFID活用し出荷物への異物混入防止

2023年3月28日 (火)

サービス・商品サプライチェーンでの自動化技術の開発を手がける東芝テック(東京都品川区)は28日、出荷物への異物の混入をRFID技術を用いて防ぐパッケージソフト「RF異物検知」を4月3日に発売すると発表した。異物とは、例えばハサミやカッターなどの備品を想定している。RFIDは普及が進んだバーコードに替えて電波を使って非接触で商品の検知が行える技術だが、商品以外の検出に応用するのは珍しく、異物混入という物流業界の積年の課題を解決するツールの1つとして期待されそうだ。

(出所:東芝テック)

発表によると、RF異物検知は、RFID技術を用いることで出荷物を開封することなく、外から異物(主に備品類)を把握できるソフトウエアだ。あらかじめ同梱しそうな備品などにRFタグを取り付けておく。それが出荷物に紛れ込んでいる場合、複数の出荷物に対してRFIDハンドリーダーをかざせば、一つ一つの出荷物を開封することなく。混入していることが外からわかる。混入が検知されれば、RFIDの探索機能と連携し、どの出荷物に同梱されているかを特定することができる。混入が検知された場合は端末にアラートを発して従業員に気付かせる。スタンドアローンで動作するシステムのため、ネットワーク環境や専用のサーバ機を設置する必要がなく、コストを抑えての導入が可能という。

同社によると、あらゆる企業の出荷現場では、ハサミやカッターのような備品を出荷物へ誤って同梱してしまうミスがまだあり、備品紛失の際には出荷前の梱包を開封して探すといった業務の後戻りがいまだ存在するという。人手不足の中にあっても、ミスのない作業や業務の効率化が求められている。同ソフトにより、初期導入コストを低減しつつデジタル化による効果を実感できるという。

同梱が心配される備品などにあらかじめRFタグを取り付ける多少の手間はあるが、RFIDの活用が促進されることで商品や備品の管理にかかる時間や従業員の負担が軽減できる。混入されたまま出荷されれば大問題に発展するため、万が一の事故を防ごうという従業員への意識づけとしても有効と言えそうだ。

(出所:東芝テック)

RFIDは物流や流通、製造の現場での活用が十分に広がっていないと指摘されることがある。商品の自動検知を巡っては、画像認識などさまざまな新技術も登場しているが、RF異常検知のような現場の課題に即した商品が提案されることで、RFIDの活用範囲はまだまだ広がる可能性がある。

東芝テックはRF異物検知と同時に姉妹ソフトの「RF簡単棚卸」も発売する。物品に取り付けたRFタグを一括で読み取り、棚卸しにかかる手間の削減や棚卸精度の向上を実現した。物品の管理番号をもとにRFタグへ書き込む独自のコードを発番することで、従来現場が行ってきた管理番号に近い形でRFID技術による棚卸しが可能となる。

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LOGISTICS TODAY編集部
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