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出発/ドライバー日誌連載第1回

2023年4月26日 (水)

話題「大阪府寝屋川市藤田町のこの番地を入力」。最初の訪問先の住所を地図アプリケーションに入力し、詳細な道路や周辺の建造物などの情報を把握する。さらに地図帳で、広域の経路をつかむ。ようやく、配送センターから目的地までの経路のイメージが頭に出来上がったところで、購入したばかりのピカピカの軽バンをスタートさせる。それは、私の「第二の人生」のスタートでもあった。

2023年4月。メディアの記者・ライターや企業の広報担当者としてのサラリーマン人生に終止符を打った。個人事業主として独立し、「ドライバーズライター」として再出発した。

▲ドライバーとしての第一歩の瞬間。相棒の軽バンとともに新たな出発だ

記者人生の後半戦の主な舞台は、物流業界だった。そこで起きる事象をニュースとして報じる取り組みを端緒に、この業界の抱える構造的な問題やその解決策を提言する取り組みを発信してきた。

東日本大震災や新型コロナウイルス禍をはじめとする「国難」に直面した我が国の社会。その歩みを続けることができるのは、まさに「社会に不可欠なインフラ」である物流のなせる業であろう――。

そんな日々の中で迎えた、2022年暮れのとある会合でのこと。ある物流不動産の開発事業者の言葉が、私の価値観を強く揺さぶった。「物流という仕事の本質、それを理解することができるのは、最終の顧客にモノを運んでいる人間だけですよ。なぜなら、それが物流に携わるすべての人間における『ゴール』だからです。違いますか?」

ある事柄の「ゴール」を知らずして、いったい何を語ることができるだろう。物流を語る上で、その本質に触れないままに発信するニュースに、いったいどんな意味があるというのか――。

その本質に少しでも近づいてみたい。その欲求をかなえるために取り組むべきことは何か。そこでひらめいたのが、ドライバーズライターという発想だった。簡単なことである。どうしても知りたければ、それを自分の仕事にすればよいのだ。

「ドライバー日記」は、こうした私のドライバーズライター活動の第一歩となる連載です。ラストワンマイルからチャーター輸送、さらには運送の延長上にある新ビジネスまで。幅広い体験に基づく業界の「あるべき姿」を追求してまいります。(つづく)

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