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住友化学など3社、CO2分離事業参入へ新会社

2012年10月16日 (火)

荷主住友化学、住友商事、ルネッサンス・エナジー・リサーチ(京都市南区)の3社は16日、CO2を選択的に透過する「CO2選択透過膜」を用いた膜分離法によるCO2分離事業への参入に向け、合弁会社を設立することで合意した、と発表した。

CO2を分離する技術は、主に水素の製造や天然ガスの精製で、目的のガスからCO2を除去するために使われている。

現在実用化されている「化学吸収法」や「物理吸収法」などのCO2分離技術は、多くの熱エネルギーや大型の設備が必要なため、低コスト化が大きな課題となっていた。

3社は、ルネッサンス社がNEDOや近畿経済産業局の支援を得て開発したCO2選択透過膜をもとに、プロセスがよりシンプルでエネルギー消費を大幅に削減できる「膜分離法」の技術的検討や市場調査を行ってきた。

その結果、世界最高水準の分離能力を有するCO2選択透過膜の開発に成功し、優位性が確認できたことから、新会社を設立して事業化に向けた本格的な取り組みを進めていくことにしたもの。

CO2分離事業の市場規模は、世界全体で年間約3兆円と推定され、今後新興国の経済発展や中小ガス田開発の増加などに伴い、拡大が見込まれる。

さらに、温室効果ガス削減の有望技術であるCCSについても、コストの過半を占めるといわれるCO2の分離・回収コストを抑える点で、膜分離法が期待されている。

3社は新会社設立後、さまざまな用途に適した膜の技術開発、量産体制、事業モデルの確立などの検討を進めるとともに、実証試験を行うなど1年以内をメドに本格的な事業化を目指していく。