商船三井、FSRUが香港初のLNG受入

ロジスティクス商船三井は14日、100％出資子会社のMOL FSRU Terminal（Hong Kong）Limitedが保有するFSRU（浮体式LNG貯蔵再ガス化設備）「MOL FSRU Challenger（チャレンジャー）」が、香港におけるLNG輸入プロジェクト向け試運転で、香港で初となるLNGの受入を実現したと発表した。

▲香港に到着したFSRU「MOL FSRU Challenger」（出所：商船三井）

「FSRU」は、洋上でLNGを再気化し、陸上パイプライン・設備へ高圧ガスを送出する能力を持つ。「MOL FSRU Challenger」は、香港地場電力会社のCLP PowerとHK Electricが共同設立したHong Kong LNG Terminal Limitedに長期用船として、香港南海上（ソコ群島東方）で操業し、CLP Powerのブラックポイント発電所とHK Electricのラマ発電所に天然ガスを供給する。

MOL FSRU Terminalでは、FSRUの操業に加えて、桟橋の保守・操業サービス、港湾関連サービスの提供も行う。プロジェクトは、間もなく商業運転を開始し、香港の発電所へのガス供給を予定する。また、FSRUは今後、船名を「Bauhinia Spirit」（バウヒニアスピリット）に変更する。

商船三井では、プロジェクトを通じて、香港で初のLNGを輸入し、CO2排出量の少ないガス火力発電の比率を大幅に増加させることで、香港政府が掲げる脱炭素化と大気環境改善目標の達成に貢献する。さらに、プロジェクトで得た知見と専門技術を活用し、輸送サービスに限定されないクリーンエネルギー産業の上流から下流までの様々なバリューチェーンに積極的に関与することを目指す。

■FSRU「MOL FSRU Challenger」概要
全長：345メートル
全幅：55メートル
LNG貯蔵能力：26万3000立方メートル
再ガス払出能力：800百万立方フィート／日