ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

フェローテック、事業構造改革プランを策定

2012年11月7日 (水)

メディカルフェローテックは7日、事業構造改革プランを策定したと発表した。

プランは、不採算事業となった太陽電池関連事業の収益改善のため、シリコン結晶製造装置などの製造・販売、消耗品である石英坩堝の製造・販売、自社ブランドのウエーハ・セルの製造・販売事業の縮小が柱となっている。

これにより、一部製造設備の減損、除却、人員合理化による損失が発生。同社は「不採算事業の整理により、来期以降の黒字転換を目指していく」としている。

具体的には、シリコン結晶製造装置のうち、単結晶引上装置、多結晶製造装置、角切りソー装置などの生産を縮小する。

これらは生産性の悪い旧型からの買い替え需要が見込まれるものの、ユーザーの資金繰り悪化により、代金回収が不透明なことから、現在は積極的な販売を控えているという。

省エネ化などの付加価値機能の開発は推進するが、生産は大幅に縮小する。これに伴い、過剰な部品・部材在庫の評価減、除却を計画する。

また、消耗品の石英坩堝、ホットゾーンなども、「ユーザーの生産調整が想定以上に進み、設備稼働率の低下から消耗品需要が低迷している」として、米国坩堝工場の操業を停止し、同工場は撤退する。

さらに、中国坩堝工場でも、坩堝製造装置の稼働台数を減少させる計画で、これに伴って製造装置の減損なども行う。

太陽電池用シリコンについては、製品価格の急激な下落により、製造コストを吸収できず損失を見込むことから、自社ブランド品の製造・販売から撤退し、委託先が原材料を調達し、同社は製造のみを行う受託製造事業を拡大していく。

今後、同社は太陽電池用シリコンの自社ブランド品の製造・販売から受託製造事業に大幅な転換を行い、体質改善を進める。

装置関連事業の主力の真空シールは、FPD関連など製造装置メーカーの東アジア地区への進出に合わせ、営業、設計などの現地対応を強化、スピード対応を実施し同地区でのシェア確保を進めていく。

石英製品は、超高純度製品の中国移管を進めるほか、次世代製品(450ミリメートル)の販売を開始。LEDメーカー向け製品は高い市場シェアを維持していることから、取りこぼしのないよう顧客満足の向上に努める。

セラミックスは、材料・加工技術を核とした戦略を進め、半導体製造装置用のファインセラミックス、半導体検査治具用のマシナブルセラミックスの拡販を進める。

特に、シリコンウエーハ450ミリメートル化、スマートフォン、有機EL、LED関係分野での新素材製品の開発を進めていく。ディスクリート用シリコンウエーハは受託生産のほか自社ブランド品を拡充。

北米市場での蒸着装置は、スマートフォンなどに使用される通信制御チップ製造の増設に伴い販売を促進するとともに、欧米子会社が設計、販売しているエレクトロン・ビームガンを採用し、機能を簡素化した蒸着装置を中国のLED市場に投入していく。

電子デバイス事業では、主力のサーモモジュールで新たなアプリケーション用途が多くあるため、高性能材料を適用した新製品をより積極的に市場に投入するとともに、自動化ラインの増設を進める。

米国市場は自動車向けに限らず、通信、医療、バイオなど高機能製品需要を掘り起こすため、代理店販売に加え、直販体制を強化し市場シェアの拡大に力を入れる。パワー半導体向けDCB基板の需要が旺盛なため、品質の向上と生産能力の増強を進め、主要な市場である日欧で拡販していく。

太陽電池関連事業の引上装置などの結晶製造製品は、需要が減少していることから、ランニングコストが低い省エネ型製品やリチャージ機能を付加した製品開発に留める。

シリコン製品は、自社ブランドから撤退した後、受託製造事業のみ事業を継続。消耗品である石英坩堝は、太陽電池向けのほか、半導体向け製品の製造も進める計画。