拠点・施設日本GLPは17日、マルチテナント型物流施設「GLP ALFALINK(アルファリンク)相模原」のグランドオープンイベントを開催した。
同施設はアルファリンクブランドの第1弾として開発され、ことし5月に全4棟の完成を迎えた総延床面積67万5136平方メートルの大規模多機能型物流施設。「Open Hub」(オープン・ハブ)をコンセプトに、地域に開かれた物流施設として、地域住民・入居企業との共生・共創を目標としてきた。この日のイベントには、本村賢太郎相模原市長のほか、入居テナント企業、地元自治体、投資家、関連会社が集まり、オープン・ハブのコンセプトで実現したビジネス共創の実例を紹介。今後の物流施設の進化の可能性についてのカンファレンスを開催、入居企業8社が登壇した。
最初に登壇したのは、販促グッズ企画やEC販売サイト「あみあみ」を手掛ける大網と、佐川急便、佐川グローバルロジスティクスの3社。日本GLPが加わって「これからの物流」をテーマにしたトークセッションが行われた。入居各社は日本最大級という施設のスケールによって可能になる拠点の再編や効率化、入居企業同士の連携など、付加価値のある物流実現が入居の決め手になったとする。
佐川急便はアルファリンク屋上にターミナルを構えることで、入居企業へ利便性の高い配送オペレーションを提供している。佐川グループとしてのシナジー効果を活用するとともに、今後は大型マルチテナント型拠点ならではの「共同配送」の仕組み作りを追求する。各社からは個々の事業者単独ではなく、入居企業同士の連携が次の連携へとつながる好循環を生んでいることが語られ、今後さらなる企業共同での最適化を模索するという。
西濃運輸とJPロジスティクスによる運送事業者同士のクロストークでは「競争から共創へ」がテーマ。競合する同業他社が多数同居していることから、お互いの「強み」「弱み」を補うような共創サービスが検討され、実現する事例を紹介した。
▲(左から)西濃運輸相模原支店の宇野靖章支店長、JPロジスティクス相模原物流センターの平川一夫センター長
西濃運輸と佐川急便共同での配送サービス「飛脚カンガルー便」や、西濃運輸とJPロジスティクスによる共同輸送による効率化の実現などを紹介。地域交流イベントや協議会などを重ねて各会社の人間同士の距離が近くなったことも、ライバル業者同士の共創を促していることが語られた。
梱包事業のサンリツ、物流ソリューションを手掛ける富士ロジテックホールディングス、ヤマト運輸の3社は「アルファリンクが生んだカスタマー間コミュニティ」をテーマにクロストーク。施設のオープンハブのコンセプトが企業同士の横連携を生み、地域交流イベントを通してコミュニケーションを深めるなど、他の物流施設では実現し得ない協力関係が生まれていることを報告。ヤマト運輸と佐川急便が地元小学生を対象にした「安全教室」に共同参加することなども、アルファリンクでの交流から実現したといい、施設内から地域コミュニティへと、コミュニケーションが広がっている事例も報告された。
▲(左から)富士ロジテックHDアルファリンク相模原物流センター長の河合陽之介氏、ヤマト運輸輸配送コントロール部の水谷悦子マネージャー
日本GLPの代表取締役社長である帖佐義之氏は、同施設がデベロッパー側の想定を超えるスピードで、入居企業間の物流の創造連鎖の段階へと進んでいると評価。「皆様が作り上げたアルファリンク、育て上げられるアルファリンクとなって、もはや私たちの手をはなれて進化している」と、オープン・ハブのコンセプトが具現化していることへの感謝を述べ、この施設がドイツの建築デザイン賞「ICONIC AWRDS」の「BEST OF BEST賞」受賞し、アルファリンクの掲げるコンセプトが世界的に評価されたことを公表した。
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