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大同特殊鋼、機能性金属粉末の生産を増強

2012年12月11日 (火)

荷主大同特殊鋼は11日、スマートフォンなどの多機能携帯端末、ハイブリッド自動車や電機・電子分野の市場拡大を受け、10億円を投じて機能性金属粉末の新製造ラインを粉末工場(名古屋市港区)に増設し、年間生産能力を1.5倍の1万5000トンに増強する、と発表した。

金属粉末は、耐食性・耐熱性・耐摩耗性などが必要な機能部品の原材料として広く粉末冶金用として用いられており、その市場は2年間で15%拡大している。特に、携帯端末用、車載用などの電子部品に搭載されるインダクタや、ハイブリッド自動車・太陽光発電のリアクトルなどの分野は高い市場成長率が見込まれており、原材料の機能性金属粉末の需要も大きく高まっている。

インダクタにはこれまで、酸化鉄を主成分とする軟磁性材料「ソフトフェライト」などが主に使用されてきたが、部品の小型化・大電流化といったニーズに対応可能な金属粉末に置き換わってきており、さらに市場の拡大が見込まれている。

この市場拡大に対応するため、同社は合金成分の選定、粉末形状・分布・粒径の制御された機能性金属粉末の開発を進めている。新製造ライン増設後は、多様化するニーズに対応し、自動車構造部品など従来の粉末冶金分野だけでなく、ハイブリッド自動車、電気自動車や電機・電子分野への拡販にも注力。粉末事業全体の2014年度の売上高は90億円を計画している。