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賃貸物流施設市場、中長期的に賃料上昇傾向も

2013年1月23日 (水)

拠点・施設シービーアールイー(CBRE、東京都港区)は23日、首都圏、近畿圏の大型マルチテナント型物流施設の市場動向(2012年第4四半期)を発表した。

それによると、首都圏の大型マルチテナント型物流施設の2012年第4四半期の空室率は、第3四半期比で0.9ポイント下落して3.7%となり、第3四半期の上昇分(1ポイント)をほぼ相殺した。

特に既存物件では、第3四半期比0.7ポイント下落し2.5%となり、2004年以来の過去最低水準を更新した。

既存物件全般で空室消化が進んだことに加え、第4四半期に新規稼動した物件がテナント入居決定率75%でスタートし、高稼働となったこともポジティブ要因となった。

近畿圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率は、第3四半期で第2四半期比で6.9ポイントと大きく低下したが、第4四半期でも第3四半期比0.4ポイント低下して1.5%となり、特に既存物件では0%と満室稼動が続いている。

2013年に首都圏で新規開業予定の大型マルチテナント型物流施設は、過去5年の平均と比較して、年後半を中心に2倍という高い水準となっている。

一方、複数の大型契約を含むプレ・リーシングは想定以上に順調なペースで進んでおり、既に半分程度の面積テナントが内定したと推定。需給への影響は限定的との見方が強まっている。

コンビニエンスストアなどの新規出店拡大に伴う物量の増加もあり、賃料は中長期的に上昇傾向となることも考えられるという。

首都圏の2014年の新規供給は、過去平均を若干下回るペースとなっている。ディベロッパー側に、中長期的なものも含めた新規開発プロジェクトの進行状況を見極めたいという姿勢があるため、今後大きく供給が上積みされる可能性は低いと考えられ、空室率は低下傾向となる見通しが出てきている。

このため14年以降、堅調な需要拡大を背景としたタイトな需給が、賃料上昇へのサポートファクターとなることも期待されるとしている。