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首都圏の大型賃貸物流施設、過去最低の空室率

2013年4月24日 (水)

拠点・施設シービーアールイー(CBRE、東京都港区浜松町)は24日、首都圏、近畿圏の大型マルチテナント型物流施設の市場動向(2013年第1四半期)を発表した。

それによると、首都圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率は、2012年10-12月期比で更に0.9ポイント下落し2.8%となり、2004年調査開始以来の過去最低水準を更新した。

既存物件でも、10-12月期比で0.7ポイント下落し1.8%となり、10-12月期に続き2四半期連続で過去最低水準を更新した。需給面のタイト感が強い中、残り少ないまとまった空室も既存テナントの増床で埋まるケースが多く、空室率の低下に寄与した。

近畿圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率は7-9月期と10-12月期で合わせて7.3ポイントと大きく低下して1.5%となり、1-3月期でも1.5%という低水準が続いた。特に既存物件では0%と5四半期連続の満室稼動となった。

今後1年(2013年4月-2014年3月)に首都圏で新規竣工予定の大型マルチテナント型物流施設は、年間ベースで過去5年と比較して2.7倍という高い水準となっている。プレ・リーシングは堅調な需要を背景に好調で、CBREでは「2013年の新規供給スペースのうち、半分程度の面積についてテナントが内定している」とみている。また、供給量自体が大きいため「空室率を引き上げる要因となる可能性は高いものの、2013年中の影響は限定的となるため、既存の物件では賃料が上昇に転じているものも見られる」と指摘している。

首都圏のその先1年の新規供給は、現在のところ過去平均を下回るペースとなっている。堅調な需要拡大を背景に、2013-14年にかけて上昇すると予想される空室率も、14年年央以降は低下傾向を示すと予測。アベノミクスを背景とした個人消費のプラス面が拡大し物量の増加につながり始めるなど、既存テナントの増床ニーズも一段と強まるようであれば、賃料は中長期的にも底堅い状態が継続するとの見通しを示した。