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三井倉庫HD入社式挨拶、「社会を止めない」決意

2024年4月1日 (月)

▲古賀博文社長(出所:三井倉庫ホールディングス)

ロジスティクス三井倉庫ホールディングスは1日、グループの合同入社式を行い、同社社長、グループCEO(最高経営責任者)の古賀博文氏が、87人の新入社員に「歓迎のことば」を贈った。

古賀氏は、物流業界が置かれた現状、サプライチェーンの重要性が増すなかで、「社会を止めない」ことの責任と誇りを持って仕事に取り組むよう呼び掛けた。

◾「歓迎のことば」(要旨)

まずは、本年元日に発生した能登半島地震による被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

そして、改めまして皆さん、入社おめでとうございます。ここに、希望あふれる87名を迎えることができ、大変うれしく思います。三井倉庫グループを代表し、皆さんの入社を心から歓迎いたします。

最初に、これから皆さんが従事することとなる物流の現在置かれている状況などについて簡単にお話ししたいと思います。

テクノロジーの進化により、世界ではいまや、距離や時間によるギャップはほぼ存在しなくなった、と言っても過言ではありません。私たちが提供している物流についても同様のことが言えます。高度なサプライチェーンシステムが、スムーズな調達・生産活動を可能にし、日々の快適な生活を実現しています。しかしながら、社会全体が、地政学、疫病、そして気候変動のリスクにさらされているのは、ご承知の通りです。2024年問題なども、昨今皆さんよく耳にされることでしょう。サプライチェーンを脅かす様々なリスクが増えている中で、近年お客様は輸出入の相手先、物流拠点、輸配送ルートなどを分散化、複線化しようとする傾向にあります。「少しでも安く」とか、「とにかく安全に保管して欲しい」といったこれまでのニーズから、「より安全で強固なサプライチェーンを可能にする高度な提案力」が求められるようになっているのです。多くの顧客企業が物流を重要な経営課題として捉え直すようになっています。物流企業・業界に対する社会からの注目度・期待が大きく変わってきている、ということを皆さんには是非覚えておいて欲しいと思います。

このように注目度の高まっている物流ですが、それと全く無関係でいられる企業や個人はいないと私は感じています。それだけに物流機能を「押し売り」するだけの存在になってはいけないと考えます。物流がどのような価値を提供できるのか、真剣に考えて欲しい。物流のプロフェッショナルでありながら、お客様のビジネスや世の中の動きに対する幅広い知識を持って欲しい。プロアクティブに動き、周囲を動かし、物流を動かし、お客様の心まで動かしていけるような存在になることを私たちと一緒に目指して欲しいと思います。

先ほど、多くの顧客企業が物流を重要な経営課題として捉え直すようになっている、と言いましたが、この状況は私たちにとって非常に大きなチャンスになっています。それは、グループ一体となってこれまで進めてきた様々な取り組みと、世の中の潮流とがマッチしてきているからだと考えています。私たちの強みを更に伸ばしていくとともに、これまでがそうであったように、これからも「社会を止めない」ことの責任と誇りを皆さんにも持って欲しいと思います。

以前までの当社グループはあまり変わる必要が無かった、つまりそれだけ恵まれていたということなのですが、そんな時代はとうに終わっています。私たちのような物流企業はIT 企業のように時代の一歩先を行くことはできないかもしれませんんが、「クォーターリード」つまりせめて4分の1歩くらいは先に行きたいと私は考えています。「変化しないこと自体がリスク」だと私は言い続けているのですが、もはやそれだけでは不十分で、「変化を自ら作り出し、そこで少しでも他をリードしなくては新たな成長は望めない」と、感じています。

最後に皆さんに心がけておいて欲しいことを2つ話します。
まずは、「雑学も大事」ということ。言い換えれば、「学びをやめないで欲しい」ということです。 お客様のビジネスや世の中の動きに対する幅広い知識を持って欲しい、と先ほど話した通り、身の回りにある多くのモノやサービスへの関心を持ち、多くの経験を積んで欲しいと思います。流行りのお店や商品は何か、なぜそれが流行るのか、あるいはこのサービスはどうやって成り立っているのか、こうなる前はどうだったのかなど、世の中の動きに敏感になれば、モノの流れ以上に様々な業界や事柄を深く知ることにつながります。日常生活は宝の山、是非たくさんのことを学び、経験してください。

そして、「同期を大事にすること」です。 当社グループは総合物流企業グループではありますが、やはり単独でできることには限界があります。皆さんも同様に一人ひとり優れた能力をお持ちですが、一人でできることには限りがあります。そんな時に頼りになるのは「同期」です。同じ時代を生きてきた仲間というものは、私がこんなことを言ってはいけないのかもしれませんが、仕事や上司、そして会社やお客様に対する不満なども腹を割って話せる存在です。勿論、仲間であると同時にライバルになるかもしれませんが、そのようなことを考えるよりも、「私たちの仕事は誰かの役に立っているんだ」という気持ちで過ごして欲しいと思います。これから辛いことや悔しいことも経験すると思いますが、本日ここに一緒にいる「同期」の皆さんは、一番の相談相手になります。是非、同期を大事にして充実した社会人生活を過ごして欲しいと思います。

最後に、今日の良き日を無事迎えられたことを決して当たり前と思わず、ご家族、友人、支えてくださったすべての方へ感謝し、それに報いるためにも胸を張って仕事に取り組んでいただきたいと思います。100年に一度と言われたコロナ禍を乗り越えた皆さんですから、培った努力の精神と前向きな姿勢で大いに活躍されることを願っています。

改めて皆さん、三井倉庫グループへよくおいでくださいました。

これからともに頑張りましょう。