ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

「価格転嫁難しく賃上げせず」、中小運送・輸送業で4割

2024年4月10日 (水)

調査・データ中小企業向け事業保険を手掛けるエヌエヌ生命保険(東京都渋谷区)はこのほど、全国の中小企業経営者を対象とした賃上げに関する調査の結果をまとめた。その結果、「運送・輸送業」で今年度中の賃上げを予定していると回答したのは45.3%で、全業種の37.2%を上回った。一方で、運送・輸送業では、価格転嫁が難しいことから賃上げしないとの回答も43.9%に上るなど、価格転嫁が進みにくい産業構造的な課題も浮き彫りとなった。

▲2023年度の賃上げの実施状況(クリックで拡大、出所:エヌエヌ生命保険)

調査は、従業員が1人以上300人未満の中小企業経営者7232人に対し実施。このうち59.2%が、2023年度は賃上げをしていないと回答し、さらには62.8%が、24年度に賃上げを予定していないと回答した。運送・輸送業では、24年度中に賃上げを予定していると回答したのは、395人中179人の45.3%と、全業種平均を上回った。賃上げを予定していないとの回答が多かったのは、「卸売・小売業(家電・電気機械器具・IT関連)」、「農業・林業・漁業・鉱業」、「不動産業」で、いずれも70%を超えた。

賃上げを予定しないと回答した企業に理由について尋ねた問いでは、「業績が改善する見通しがつかない」が42.8%と最も多く、「価格転嫁が難しいため」が35.5%で続いた。価格転嫁が難しいと回答した割合は、業種別では運送・輸送業は43.9%と4番目に多かった。

▲賃上げをしない理由(クリックで拡大)

賃上げを実施する企業に対して、賃上げの理由を尋ねた問いでは、「従業員のモチベーション向上のため」が60.2%でトップ。以下、「従業員の生活を守るため」(50.9%)、「物価上昇へ対応するため」(46%)、「人材の確保・定着のため」(43.3%)と続いた。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com