サービス・商品椿本チエイン(大阪市北区)は30日、AI(人工知能)スタートアップのEAGLYS(イーグリス、東京都渋谷区)と共同で高速・高精度の「AI画像認識技術」を開発し、物体を瞬時に画像認識できる「AI(あい)てむ鑑定士」を実用化したと発表した。両社は物流現場での省人化や無人化を進め、人手不足や長時間労働といった課題の解決に貢献するとしている。
AIてむ鑑定士は、椿本チエインの自動仕分け装置向けにカメラ撮影機能を備えた筐体(きょうたい)型のAI画像認識装置。0.1秒から0.4秒という超高速で商品を認識する高速・高精度画像認識技術を使って、認識正解率99.99%を達成した。バーコードやRFIDなどとは異なり、ラベルやタグの準備、スキャン作業といった人手による作業が必要ない。判別結果は、作業者の端末や専用のウェブシステムで検索、確認ができる。

▲「AIてむ鑑定士」で検知・判別された商品の画像(クリックで拡大、出所:椿本チエイン)
AI画像認識技術を利用した商品判別技術は、数万単位の極めて多種の商品画像データを収集し、それらを高精度で識別しなければならないため、実用化が難しい分野とされてきた。しかし、椿本チエインは、搬送システムを取り扱うマテハンメーカーの強みを生かして運用現場でデータを収集。顧客からの協力も得て実証を重ね、実用化にこぎつけた。
実用化の第1弾として、椿本チエインのチルトトレー式自動仕分けシステムにAIてむ鑑定士を組み込んだシステムを物流会社のセンコー(大阪市北区)に納入した。現在、複数の物流センターで実運用を開始している。今後、導入拠点や適用商品を広げながら、AI運用のノウハウや画像データを蓄積し、システムの改良や機能追加を進める。また、他の搬送システムにもAIてむ鑑定士を搭載し、機能や用途の拡大を目指していく。
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