拠点・施設物流不動産の開発・運営を手がけるプロロジスは18日、岩手県金ケ崎町でマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク北上金ケ崎」の竣工式を開催した。施設は東北自動車道・北上金ヶ崎インターチェンジに隣接する立地で、東北全域への広域配送を想定した拠点となる。すでに賃貸面積の75%で契約を締結している。

▲「プロロジスパーク北上金ケ崎」
同施設は、南北方向の東北道や国道4号、東西方向の秋田自動車道、釜石自動車道が交差するエリアに位置する。盛岡市へ60分、仙台市や釜石市へ90分、秋田市へ120分と、東北各地へのアクセス性が高い点が特長だ。東北新幹線・北上駅からは車で15分、JR東北本線・金ケ崎駅からは10分と、通勤利便性の面でも優位性がある。

▲プロロジスの山田御酒社長
同社の山田御酒社長は、竣工式の挨拶で12月8日に起きた青森県東方沖地震に言及し、「災害時には通常以外のルートで輸送できるかどうかが、物流を止めないためのポイントとなる」と災害時の代替ルートの重要性を指摘。「東北圏の南北、東西へのアクセスの良い北上金ケ崎はサプライチェーンを止めないための拠点を置くのに適している」と語った。

▲岩手・金ケ崎町の髙橋寛寿町長
同拠点がある金ケ崎町は町内、近隣に多数の工業団地を持つ集積地。同町の高橋寛寿町長も式典に出席しており、「町内を通る主要道路の4車線化など、物流機能を向上させるインフラ整備に向け、各所に働きかけを行っていきたい」と、道路整備への意気込みを語った。

▲各バース前の車路は全て屋根付きの全天候対応
施設は1・2階を一体で利用できるメゾネット型構造を採用。高床式トラックバースや一方通行を基本とした敷地内動線により、安全性と作業効率の両立を図った。降雪地域での運用を想定し、施設側による除雪サービスの提供や、雨どいへの融雪ヒーター設置など、冬季でも安定したオペレーションを支える設備を整えた。

▲雨樋にはヒーター(銀色部分)が付けられており、厳冬期でも確実な排水を可能にする
また、全長の長い施設特性を踏まえ、各専有部の1階にはラウンジと給湯スペースを設置した。共用ラウンジをあえて設けず、来客対応や休憩を各区画内で完結させる設計とすることで、入居企業スタッフの移動負担を抑える。
隣接地では、特定企業向けのBTS型物流施設「プロロジスパーク北上金ケ崎2」の開発を予定。同施設では、保管場所の需要が急増している化粧品やアルコール類などに対応可能なHAZMAT(危険物倉庫)の整備に加え、冷凍冷蔵倉庫の導入や、製造業の利用を想定した床耐荷重の増強など、入居企業の要望に応じた柔軟な施設仕様に対応する。(土屋悟)

▲隣接する「北上金ケ崎2」の建設予定地
所在地:岩手県金ケ崎町六原土井道合、後平地内
敷地面積:7万8500平方メートル
延床面積:5万5000平方メートル
構造:地上2階建て、鉄骨造
着工:2024年6月
完成:2025年12月
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