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物流業界のデジタル化に遅れ、インフォマート調査

2025年12月18日 (木)

調査・データ企業間の商取引をデジタル化するクラウドサービスを運用するインフォマートは18日、物流事業者の3割が法改正や業界の課題に「特に対応してない」と回答したとする調査結果を公表した。特にDX(デジタルトランスフォーメーション)・デジタル化に遅れがみられた。

ことし4月から、効率的で持続可能な物流システムの構築を目的に「物流総合効率化法」と「貨物自動車運送事業法」が順次施行されている。これについて物流業界や荷主企業がどのように対応しているかを把握するため、インターネットを通じて、20代から50代の会社員を対象にアンケートを実施。調査期間は10月29日から11月1日までで、物流企業、荷主企業それぞれ180人から回答を得た。

物流業界の社員に対し、業界が抱える課題や法改正に対して、勤務先ではどのような対応を進めているか聞いたところ、32.2%が「特に対応していない」と回答した。

従業員規模別でみると、50人未満の企業では「特に対応していない」が半数を超え、300人以上が在籍する企業であっても3割を占めた。さらに、1000人以上となる大企業でも「DX・デジタルツール導入」は10.2%にとどまり、物流業のDX・デジタル推進の遅れが鮮明になった。

勤務先で活用・検討しているデジタルツールについても、48.3%が「特に導入していない」と回答した。導入されているツールで最も多かったのは「勤怠・労務管理」で29.4%、次いで「車両管理システム」の17.2%、「請求書デジタル化」が14.4%だった。

(クリックで拡大、出所:インフォマート)

現在、勤務先において把握・管理できているデータでは、「ドライバーの労働時間や休息時間」が41.1%で最も多かった。ことしの法改正で管理が求められる「荷待ち・荷役時間」は18.9%、「積載率・効率指標」は12.8%といずれも2割以下にとどまり、データ化が遅れている。

(クリックで拡大、出所:インフォマート)

一方、荷主企業に、ことしの法改正で感じている課題を聞いたところ、「運賃・物流コストの上昇が避けられない」が38.9%で最も多かった。次いで「契約書対応が増える」の27.8%が続いた。

期待できる効果については、「物流コストの見える化・適正化」が26.1%で最も多く、次いで「サプライチェーン全体の標準化・DXの促進」が23.3%、「荷待ち・荷役の削減による全体効率化」が22.2%と続いた。

同社は「紙や口頭に依存した商習慣が影響し、物流業界のDX・デジタル化は大きく遅れていることが明らかとなった。物流の効率化を進めるには、現状のデータ化・可視化が必要だ」などと指摘している。

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