段ボール原紙の検収を効率化するシステムを開発

荷主日本製紙連合会（製紙連）と全国段ボール工業組合連合会（全段連）は20日、段ボール原紙を納品する際の検収作業を効率化するため、RFID（非接触でのICタグデータ自動認識技術）を活用した配送情報ポータルシステム（DIPs）を開発したと発表した。システムの構築はJSOL（東京都千代田区）が担当し、サービスの提供は製紙業界標準EDI（電子データ交換）を展開するカミネット（中央区）が担う。システムの導入で、荷卸し全体の時間を短縮でき、「物流の2024年問題」解消への貢献が期待できる。

（クリックで拡大、出所：日本製紙連合会）

物流業者は製紙会社の段ボール原紙を段ボール会社に輸送する際、段ボール会社から、自社固有の情報が記載されたラベルを貼付したり、段ボール原紙に直接情報を記載したりする作業を要請されることが多い。こうした作業はトラックのドライバーが行っており、業務の負担となっている。また、検収作業では、荷卸しの際に1本ずつ確認しなければならないため、時間がかかり、検収を待つトラックの待機時間も発生している。さらに、検収の際には積み上げた商品の間を回らなければならず、作業の安全面の懸念もある。このほか、荷受けの作業者は受け入れた段ボール原紙を自社システムに登録するための入力作業も行っている。

JSOLが開発したシステムでは、段ボール会社が登録した注文明細と、EDIを通じて登録された製紙会社の出荷明細情報を紐づけ、読み取ったRFIDの情報と紐づけられた情報を連携させる。これによってドライバーが行っていたラベルの貼付作業などが不要となり、伝票の照合作業はRFIDリーダーで読み取るだけになるため、検収作業の時間が大幅に削減される。作業の効率化によって、トラックの待機時間も短縮されるほか、受入れ時に使用したRFIDは、そのまま段ボール会社の現品管理で活用できる。

製紙連と全段連は今後、製紙会社や段ボール会社へのDIPs導入を積極的に図り、業界での物流の効率化を実現することで、「物流の2024年問題」の解決に取り組んでいく。

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LOGISTICS TODAY編集部
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