調査・データ出光興産は5日、白老油脂やナラサキ石油、阪神内燃機工業と協力し、バイオ混合燃料を使った燃料バンカリング船の長期継続運航試験を行ったと発表した。また、長期継続使用してもエンジンなどに支障がないことを確認したという。
運航試験は昨年9月から今年6月まで北海道で実施。使用済み食用油から製造されたFAME(脂肪酸メチルエステル)をA重油に24%混合したバイオ混合燃料を継続使用し、寒冷地である北海道でも支障なく運行できるかどうかを試した。
今回の試験で使用したバイオ混合燃料は、従来の船舶用燃料と比較して20%のCO2排出量削減が期待できるが、マイナス気温下で固化する低温流動性と、酸化によって劣化しやすいことが課題だった。
しかし、低温流動性の問題は昨年2月の厳冬期に苫小牧港内で小型船舶を1か月間、試験運航してクリアした。今回の運航試験はより大きな船舶で10か月間運行して、エンジンや運行への支障がないかを検証するために行われた。その結果、燃料の酸化による運航への支障はなく、既存燃料と同じように運航できることがわかり、運航試験終了後の検査でも、主機関などへの影響がないことを確認した。
同社は、今回の運航試験の結果をもとに、船舶用バイオ混合燃料の実用化を北海道以外のエリアでも拡大していくとしている。
今回の運航試験では、セコマが運営する地元のコンビニエンスストアチェーン、セイコーマートから、同社のグループ会社の白老油脂が使用済み食用油を回収してFAMEを製造。出光興産がバイオ混合燃料の品質管理を支援した。ナラサキ石油はバイオ混合燃料の洋上給油を行い、阪神内燃機工業がエンジンへの影響などを評価した。
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