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三井物産、治験薬物流管理事業に進出

2010年11月12日 (金)

メディカル三井物産は11日、製薬会社やCRO(臨床開発受託機関)に対し、来春をめどに新薬開発工程で治験薬物流管理のフルアウトソースサービスを提供開始すると発表した。製薬会社はこれまで外注化できなかった治験薬の保管・配送関連業務を外部委託することができる。

 

これまで、治験薬の保管・配送(治験薬物流)は製薬会社が自ら実施するように省令でより定められていたが、2008年4月、厚生労働省による医薬品の臨床試験実施基準に関する省令(GCP省令)改正に伴い、物流会社など第三者による医療機関への治験薬交付が可能となった。一方で治験薬の取扱いに求められる高い管理品質を維持するため、実際には治験薬物流の外部委託は進んでいないのが実態。

 

三井物産が手掛ける治験薬物流管理事業では、「製薬業界関係各社の協力を得て、製薬業界で求められる高い品質管理レベルを前提とした物流サービスを提供する」としている。

 

また、事業開始に際し、東京国際空港(羽田)の「東京国際エアカーゴターミナル(三井物産100%子会社)」内に、国内の空港として初めて設置された治験薬専用保管施設を活用する。羽田空港を日本国内、アジアで行われる臨床試験での治験薬の輸出入物流ハブと位置付け、国内外の医療機関など臨床試験実施施設への直接配送を含めた治験薬の物流管理サービスを提供していく。

 

事業の一環として、国内大手CROのイーピーエス、三井物産100%子会社のイートライアルと共同で治験薬物流管理システムの開発に取り組んでおり、完成すればこれを用いて、治験薬物流に関わる入出荷指示や実績管理の効率化、物流のトレーサビリティの大幅な向上を目指す。

 

三井物産では「将来的には国内製薬企業のアジア治験推進を物流面から支援するため、アジア側での治験薬物流網の整備に取組んでいく」としている。