調査・データ矢野経済研究所は9日、国内の宅配水市場に関する調査結果を公表し、2024年の宅配水市場の規模は1792億円と見込んだ。前年度比1.2%増で、成長に鈍化の傾向がみられる。
同社によると、昨年度の宅配水市場規模は、前年度比1.1%増の1770億円と微増にとどまり、伸長率は鈍化傾向にある。宅配水の顧客件数は概ね横ばいで推移したものの、猛暑のため夏場の1件当たりの水の消費量が増加し、ボトル販売本数は微増となった。
24年度については、昨年度比1.2%増の1792億円を見込んでいる。
宅配水の市場規模は依然大きいものの、配送料金などが上昇していることもあって、大手の宅配水事業者は、ウォーターボトルを装着せず、水道水を浄水する給水型ウォーターサーバーに参入し、戦略的に宅配水の新規顧客獲得を抑制している。このため宅配水の新規獲得数に鈍化傾向がみられる。
こうした状況を受けて、給水型ウォーターサーバーは、23年度も累計出荷台数ベース、販売金額ベースともに前年度比で2桁の伸びを見せた。宅配水事業者による給水型ウォーターサーバーへの新規参入が市場成長を押し上げている。
同社は「当面、給水型ウォーターサーバーの市場が活況になる見込みで、宅配水の新規顧客獲得には注力せず、長期利用者のロイヤリティ向上に努めることでLTV(顧客生涯価値)向上を図る企業が増えていく」と予測している。
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