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NBSロジ、オンライン診療でドライバーの健康管理

2024年10月18日 (金)

記事のなかから多くの読者が「もっと知りたい」とした話題を掘り下げる「インサイト」。今回は「NBSロジ、福利厚生で全ドライバーに高血圧診療」(10月17日掲載)をピックアップしました。LOGISTICS TODAY編集部では今後も読者参加型の編集体制を強化・拡充してまいります。引き続き、読者の皆さまのご協力をお願いします。(編集部)

ロジスティクス物流の2024年問題はトラックドライバーの働き方、人材確保、待遇改善など数ある課題を浮き彫りにした。さらに、トラック運送業界が取り組むべき問題がドライバーの健康管理だ。厚生労働省の公表によると脳や心臓疾患による過労死などの労災認定件数は業種別で第1位。なんとも褒められない実態がある。突然の体の異変に起因する健康起因事故件数も高止まりしている。トラック運送業界において、ヘルスチェックの取り組みは待ったなしといえる。

そうした状況の中、社員の健康管理を積極的に進めているのが、大分県日田市に本社を置く物流企業NBSロジソルだ。現在、従業員数は1126人。そのうち、トラックドライバーはほぼ半数の500人以上。

▲NBSロジソルの河野逸郎社長

「2024問題の課題の1つがドライバーの拘束時間の短縮ですが、これは社員の健康を考えてのこと。ホワイト物流としても必要なことでもあります。なので、社員の健康管理も同時に目指すべきゴールとして設定した」と語るのは、同社代表取締役社長の河野逸郎氏だ。

同社は健康管理を進めるに際し、「血圧」に着目し、健康レベルの指標に。「健康管理は会社がどんなに努力しても、従業員本人が健康になりたいと思わなければ、前に進みません。そこで血圧という目に見える数字を計り、絶えず確認してもらい、ドライバーの健康増進に繋げようと考えました」(河野氏)

同社が導入したのは、「高血圧e-メディカル」というオンライン診療サービス。オムロンと連携し、血圧計を従業員全員に無料で貸与する。わざわざ営業所に出向かなくても、自宅やトラックの中でも、手軽に血圧測定できる。測定した血圧値はブルートゥースを通じてスマホ内の専用アプリに蓄積する。

▲イーメディカルジャパン代表取締役兼CEOの塩谷さおり氏

「それら各データを専門の医療チームがモニタリング。また、健康に不安があれば、専属の医師と同じデータを見ながら相談もできます。日々のデータの中で何らかの変異や異常が見つかれば、医師から直接アドバイス。実際の診療の予約も可能です」(イーメディカルジャパン代表取締役兼CEO、塩谷さおり氏)

ドライバーの定期健康診断を怠ることで、運輸局の監査で違反と判断される運送業者は決して少なくない。そんな業界にあって、こうした健康管理の導入が新たな潮流になればいいと河野氏は語る。

「物流業界の変革、改革がさけばれている今もなお、従来の仕事のスタイルを変えたくないという声は依然多いのも事実。DX化の速度が遅いのも、できないのではなく、受け入れたがらないのです。新たな試みを通じて、物流業界に残る旧態依然とした体質を変えていきたいですね」(河野氏)

◆高血圧e-メディカルについての問い合わせ
support@e-medicaljapn.co.jp